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無価値感を「手放す」ことはできない。変化は意志の問題ではなく生理的変化なんです。
さて、成育環境の中で図らずも培われてしまった無価値感。
そうとなったら一刻も早く手放したいものです。
でもこれがなかなかうまくいかないものなんですよね。
例えば自分が無価値感を抱えていると気付いて「よーし、明日からはそんなことを思わないようにするぞ!」と思ってそう思えたらいいけど、そうは問屋が卸さない(笑)
いくら「冷静に考えたら生きる価値がないなんてことはない」と思って「手放そう」としても、そうはいかないのはなぜかというと、それは脳が関係してきます。
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とっても簡潔に説明すると、無価値感という脳回路(記憶回路)が脳内に有機物として形成されているってことです。
物理的にそのような神経回路が出来上がっているので「気持ちでどうにかしよう」と思ってもそれはうまくいかないのです。
意志の力で無価値感を手放せないのは、無価値感を抱えている自分に変化を起こすのは生理的変化によるものだからです。
私たちの脳内にはめちゃくちゃ膨大な数の神経細胞のネットワークが形成されていて、それによってさまざまなことを行ったり判断したりしています。
そしてその中でよく使われているか回路は活性化しているので発火しやすいという特徴があります。
無自覚に形成された無価値感という回路があって、感覚受容体(五感)から入ってきた情報処理を、その無価値感の回路ばっかり使ってきたってことです。だから完全にパターンが出来上がっている。
なので自分が変わるという変化は「よーし、変わるぞ!」という意志や気持ちの感情論ではなくて、使う脳回路を変えていくという生理的な変化なんですね。
なので手放すということではなくて、新しい解釈を生み出す脳回路を作っていくってことがとっても有効です。
人間はPCのように不要になった脳回路を完全にデリートすることはできません。
でも私たちは有機体なので何歳になっても新しい脳回路を作っていくことはできるんですね。
そしてそちらをメイン回路にしていくということは可能です。
実際そうなっていくと、そもそも何事においても「手放す」という概念が湧いてこなくなります。
じゃなくて、不要になったものが勝手に剥がれ落ちていくという感覚になります。