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これはダメです:Questo non va bene

「この報道、本当?」と日本の友人から4月5日付けの朝日新聞の記事が送られてきました。

「新型コロナウイルスの感染者数について国の研究機関*が3月末に「ピークに達した」としたイタリアで、外出禁止令を守らないといった国民の「緩み」が指摘されている。」「感染者が1万6千人を超えた北部エミリアロマーニャ州のボローニャ**でも、市場の狭い通りが買い物客でごった返した。」

(*Istituto Superiore di Sanità = 高等衛生研究所)     
(**念のために、この感染者数は、エミリアロマーニャ州全体のもので、ボローニャ県、もしくはボローニャ市のものではありません)

現地の新聞には、前日の4月4日に、この状態を告発する記事が出ていました。

場所はボローニャ旧市街、中世の建物の間を縫うような狭い路地に、小さなお店が軒を並べている歴史的な市場です。地図を見れば分かるように、T字型の路地(薄い赤色で記してあります)にお店が集中しています。

地図

この路地にあるのは、全土封鎖期間中も営業が認められている食料品を扱うお店ばかり。しかし、この光景には私も夫もあきれかえりました。私たちの買い出しは近所のスーパーですが、入店するには長い列に並んで長時間待ちます。旧市街のこの市場は屋外ですが、路地の入り口にチェックポイントを作れば、十分な対人距離(ソーシャルディスタンス)を保てるように入場制限をすることは可能なはずです。買う側も売る側も、誰もその考えに至らなかったのでしょうか?

市長も記事の中で怒りのコメントを出しています。

「これは許されないことだ。くり返す。これは許されない。」「感染者と、退院者と、そして残念ながら死者の数を、毎日見ているだろうに!」

日本の新聞では、当然ながらに、イタリア国民全体の気が緩んでいるように書かれてしまいます。その悪例のひとつとしてボローニャの名前が出てしまったのですから、市長も規則を守ってる市民も、たまったもんじゃありません。

と憤っていたら、幸運にも本日月曜日(4月6日)から、上で指摘した路地の入り口に、しっかりチェックポイントが出来ました。

でも、こんなに簡単に規律が緩んでしまう現実には、苦々しい思いが残りました。

追伸
日本でも同じようなことがあったのですね。

巣鴨で縁日が開かれ、高齢者でいっぱいだったとか。以前、無症状感染者になりやすい若者は高齢者にとって危険、と書きましたが、人ごみに自ら出かけて行く高齢者を、私たちはどうやって止めればいいんでしょう?

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