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一喜一憂

毎日届く日本領事館からの緊急メール。
日本の報道やSNSに見る扇情的なフレーズと隠謀説。
両親が住む、私の生まれた町でも感染者が出たというニュース。
そして、4日連続で下がっていたのにまた上がってしまった、イタリアの*現感染者数の前日との差を示すグラフ。(*ご指摘をいただきましたので、訳を訂正させていただきました。厳密には「現在陽性と判断されている感染者の日毎の増減数」の表なので、「新感染者数-死者数-回復者数」ということになります。)

感染者数も死者数も累計なので増加するばかりですが、毎日増減するのが上にも書いた*現感染者数の前日との差を示すグラフ。(上の説明をご参照ください)。これが下り坂になってくれないと困るのです。(と素人の私は単純に思っていたのですが、「この数字が上がったということは、死者数が少なくなったかもしれないというわけで、必ずしも悪いことでは無いように思います。」というご指摘をいただきましたことを記させていただきます。)

市民保護局が毎日更新しているこのグラフ(3月26日付け)に、これまでにあった大きな出来事を書き込んでみました。(サイトのリンクは http://opendatadpc.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/b0c68bce2cce478eaac82fe38d4138b1 です)

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イタリア全土での移動制限が始まったのが3月10日。
レストランなどの接客業が休業になったのが3月12日。
食料や最低限生活に必要な部門以外の業種が休業になったのが3月22日。
確かに今週の月曜日(23日)から、私の家の前の道の交通量も格段に減りました。通勤者が減ったからでしょう。

4日間連続で下がったときには、全土における移動制限開始から2週間がたっていたので、その効果が出た!と思ったのですが、また昨日は上がってしまいました。格段に人の移動が減った3月22日から2週間ほど待たないと、本当の感染抑制の効果はでないのでしょうか。
だとしたらそれまでの間、病院は増え続ける重症者を受け入れられるのでしょうか。そしていったい、どれだけの方が亡くなってしまうのでしょうか。

ようやく日本からも緊張感のようなものが伝わってくるようになってきましたが、移動制限もイベント開催についても、まだ自粛要請のみ。法律のシステムが違うので、イタリアのように国が強制的に人の移動を止めるためには、緊急事態宣言が必要なんですよね?(イタリアの緊急事態宣言は1月31日でした。)

今の日本の様子はどうなのか。どれくらいの人が町に繰り出し、自らは重症になりにくいけれど「活動的な感染者」になってしまう若い人はどんな風に考えているのか。本当にこちらからでは分かりにくいです。

イタリアはどうだったのか。全土での移動制限の法令が出る直前の動画(個人の動画ではなく、報道関係のテレビや新聞社のものです)を集めてみました。感染予防のための各種の自粛要請はすでに出されていた時期で、3カ所とも夜に若者が集まるので有名な地区です。日本だったら、新宿や渋谷といったところでしょうか。

これはミラノ。日付では3月7日となっています。「予防に気は配るけれど、外出するのをやめるのは難しい」という意見が多いです。人出はあるものの、普段よりは少なめです。

こちらはローマ。日付は同じく3月7日。飲食店の経営者は、「2週間ほど売上げが減り続けている」「すでに売上げが普段の2割りか3割りになった」と嘆いています。「命令が出ないかぎり休業はしない」というコメントや、アメリカ人でいっぱいというお店の様子が印象的です。

最後はナポリ。日付は3月12日ですが、ナレーションからすると3月8日の撮影のようです。「若者は大丈夫」「ただのインフルエンザ」というコメントが聞こえます。

全土での移動制限が始まったのは3月10日。飲食店に休業命令が出たのは、その2日後です。
日本でもちょっと話題になっているらしい物騒な口調の州知事(卒業パーティを計画しているという学生に、「火炎放射器を持った軍警察を送る」と言った人)は、ナポリを州都とするカンパーニア州の州知事です。北部よりももっと医療システムが欠如している南部で感染が拡大したらどうなるのか、想像もしたくありません。

日本の医療システムを信じつつも、今の日本の人々の意識はどのあたりなのだろう、という一抹の不安が拭えない私です。

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