みんなの健康を守る (イタリアの)20のお買い物ルール
緊急事態宣言が出ている日本が今どうなっているのか、イタリアからネットで情報を見ているだけでは、実情がまったく把握できなくて戸惑っています。
例えば日々のお買い物事情。「モノがなくて人が殺到している」とか、「買い物客の態度がとんでもなく悪くて困る」とかといった報道があるかたわら、「商品の供給量に問題はない」「店内では混乱は起きてない」というまったく反対の報道もあるからです。知人友人に聞いた限りでは、日本のスーパーなどにはまだ、イタリアのような明確なルールは存在していない様子。そこで、僭越ながら参考になればと思い、イタリアの生協が出している「20のお買い物ルール」というのをご紹介します。
こちらがイタリア語版です。
こちらが日本語版です。生協のサイトにはいくつか外国語版もあるのですが、日本語がなかったので訳してみました。また、日本とイタリアでは買い物事情も店鋪事情も違うため、注意書きを下に記しました。
注意1:「まとめ買い」であって「買い占め」ではありません。2人暮らしの我が家では、10日間くらいの食料を一度に買いに行きます。
注意2:イタリアでは店舗内の人数を減らすための入場制限が行われており、長い列に並ぶことも珍しくありません。
注意3:買い物は一家につきひとりです。ひとりずつしか店内に入れません。子供や高齢者を連れて行くことは、厳しく禁止されています。
注意4:現金はウイルスの乗り物にもなりますので、カードでの支払いが奨励されています。
注意5、注意6:イタリアでは、レジを通した商品を買い物カゴに入れ直したり、買い物袋に入れてくれるサービスはありません。また、日本のような荷造り台も用意されていません。そのため、レジわきで急いで買い物袋に商品を詰めることが多いのです。ちなみに、レジの店員さんとお客さんの間には、感染予防のためにアクリル板が立てられました。
注意7:家の中には入らず玄関扉の前に商品を置いておく、もしくは、家には入らず玄関口でマスクと手袋をつけたまま手渡しなど。
注意8:日本の習慣だと、まず家に戻ったら手洗いですね。我が家では、買出し担当の夫は帰宅後洗面台に直行して手洗い。私が消毒用のウエットティッシュでパッケージをすべて拭い、そのあと私も手洗い。さらに(一応消毒はしたけれど)取り外せるパッケージはすべて取り除いてから、冷蔵庫などに収納します。
訳してから気づきましたが、20じゃなくて19のルールですね(笑)
文章にするとなかなかのものですが、全土封鎖が始まってから、イタリアではこのルールでやっています。「商品は供給される」「スーパーは閉めない」ということを首相が繰り返し伝えているので、買い占めも起きていません。逆にTV番組やSNSで(一時的にでも)空っぽになった棚の映像を流しつづける行為は、人々の不安を煽る危険な行為だと思います。
日本から見れば大げさに見えるかもしれませんが、感染予防は大げさで良いと思います。以上のようなルールは政府や自治体の決定がなくとも、各店鋪や企業さんで実施できるものかと思います。多くのお店で実施していただけますように。