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全土封鎖再延長と一部再開

4月10日の首相の会見で、いわゆるイタリア全土封鎖が5月3日までさらに延長されることが発表されました。「感染のピークは過ぎたけれど、今警戒をといてしまうとこれまでの努力が無駄になってしまう」という判断がなされたからです。ただし、3月22日から全面的に禁止されていた生産・商業活動の一部が、本日14日から再開します。

「家にいてください」というのは変わりません。それに、今日から再開する商業活動といっても、以下のようにほんの一部です。

・文具
・書店
・幼児、子供用の洋服

その他に、林業に関わる産業も再開されるようです。
書店の再開については嬉しいけれど、ちょっと複雑です。店内に入る為の列ができるんじゃないのか?書店に行くという理由で、外出する人が増えないだろうか?
ネット販売に押されて、すでに苦境に陥っていた書店業界。立ち直って欲しいのは勿論なのですが、心配の方が先に来てしまいます。

さて、今回の決定で、全土封鎖は3月10日から5月3日までとなりました。
この機会に、在ミラノ日本領事館からのメールにあった時系列も引用し、これまでの経過を下にまとめてみました。(治療中の方の数等は、Ministero Della Salute (保健省*)の公式サイトを参考にしています)
*これまで衛生省と訳していましたが、日本領事館の訳に合わせて保健省としました。

3月8日

首相令*:ロンバルディア州及び北部14県における人の移動を禁止(8日から実施。)*これまで法令と訳していましたが、日本領事館の訳に合わせて首相令としました。
退院・快復合計622人。有症入院中3557人。集中治療中650人。自宅隔離中2180人。死者合計366人。

3月9日

首相令:移動禁止規定を伊全土に拡大(いわゆる全土封鎖。3月10日から4月3日までの予定で実施。私はこの日から家にこもっています。イタリア全土で全てのイベントが中止。レストラン及びバール(喫茶店)の夜間営業停止、対人距離を1mあける事が決まったのもこのあたりです。)
退院・快復合計724人。有症入院中4316人。集中治療中733人。自宅隔離中2936人。死者合計463人。

3月11日

首相令:必要最低限の生産活動を除く生産活動禁止(3月12日から実施。食料と生活必需品の販売店,薬局,ドラッグストアを除く全ての商業及び小売り販売活動の休止。店舗,喫茶店,パブ,レストランは,宅配サービスできる可能性を残して休業。対人距離1メートルの確保ができない理美容院,美容エステ店は休業。)
退院・快復合計1045人。有症入院中5838人。集中治療中1028人。自宅隔離中3724人。死者合計827人。

3月14日

複数の空港で民間航空の利用が実質的にできなくなりました。
退院・快復合計1966人。有症入院中8372人。集中治療中1518人。自宅隔離中7860人。死者合計1441人。

3月20日

保健省命令:公園等へのアクセス禁止,運動は自宅周辺で単独で行い,他人との対人距離を保つ場合のみ可能,駅やガソリンスタンドの売店閉店等(21日から実施)
退院・快復合計5129人。有症入院中16020人。集中治療中2655人。自宅隔離中19185人。死者合計4032人。

3月22日

首相令:一部例外を除く全面的な生産活動禁止。居住する自治体から別の自治体へ移動を禁止。(23日から実施。イタリアから日本への帰国のための移動は許可されていましたが、かなり難しくなってきました。)
退院・快復合計7024人。有症入院中19846人。集中治療中3009人。自宅隔離中23783人。死者合計5476人。

3月28日

保健省・インフラ運輸省命令:外国から伊に入国する者は地方保健当局へ通報し,14日間自己隔離を行う。
退院・快復合計12384人。有症入院中26676人。集中治療中3856人。自宅隔離中39533人。死者合計10023人。

3月29日

多くの航空会社が運行をとりやめ、帰国の為の交通手段確保がほぼ不可能になりました。
退院・快復合計13030人。有症入院中27386人。集中治療中3906人。自宅隔離中42588人。死者合計10779人。

3月31日

人の集合および移動に関する追加説明:未成年の子供との外出については,自宅付近であること,及び,必要な状況あるいは健康上の理由での移動であることを条件に歩くことが親1名のみに認められる。運動(attivita’motoria)については,これまでの制限はそのままであり,自宅付近のみ歩くことが認められる。
退院・快復合計15729人。有症入院中28192人。集中治療中4023人。自宅隔離中45420人。死者合計12428人。

4月1日

4月3日までだった全土封鎖を4月13日まで延期。
退院・快復合計16847人。有症入院中28403人。集中治療中4035人。自宅隔離中48134人。死者合計13155人。

4月10日

4月13日までだった全土封鎖を5月3日まで延期。
退院・快復合計30455人。有症入院中28242人。集中治療中3497人。自宅隔離中66534人。死者合計18849人。

4月13日

退院・快復合計35435人。有症入院中28023人。集中治療中3260人。自宅隔離中72333人。死者合計20465人。

4月14日

一部の小売業・生産業の再開。

増加していく死者数を眺めていると、インターネットもなかった1995年の阪神・淡路大震災の際、イタリアの下宿先で、テレビの文字放送の画面に無機質に表示される犠牲者数がドンドン増えていくのを、ただ目で追うことしかできなかった時の無力感を思い出しました。そして、イタリアの死者数が東日本大震災のそれと同じくらいになっているのに気づいて、呆然としました。

復活祭の週末、外出してはいけないはずが、いつもより多くの人が道を歩いているのを見ました。もう少しだけ辛抱しましょう、とついつい言いたくなってしまいます。いつまでも家のなかにいるわけにはいかない、と分かってはいるのですが...

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