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イタリア全土封鎖が終わります

土曜日の夜、コンテ首相の記者会見があり、2ヶ月以上続いたイタリア全土封鎖が明後日の5月18日付けで終わることが明言されました。

以下は、記者会見の大まかな内容です。

「昨日、法案が可決されました。これで私たちは、名実ともに(感染症との戦いの)第二段階へと入っていくことになります。再始動への意欲と慎重さを持って、この第二段階に挑みましょう。感染症に関するデータは、私たちに希望を与えるものです。今まで皆が協力して行って来た努力の結果が、待ち望んでいた結果をもたらした証といえるでしょう。有症者、感染者、死者の数は減り、治癒した人の数が増えています。集中治療用のベッドが増床され、病院システムも強化されました。PCR検査と抗体検査の数も増やしました。新しい”免疫アプリ”の実験も進んでいます。自信と責任感をもって第二段階に挑む条件が揃いました。」
「月曜日からは、州内での移動制限はなくなり、(移動理由や移動場所を書き込んで携帯する)自己申告書は撤廃となります。つまり、移動理由を明言しなくとも外出が可能となります。行きたいところに行けるのです。お店にも、山にも、湖にも、海にも。社会生活も戻ってきます。友人たちとも会えます。当然、コロナウイルス陽性者や検疫期間中の外出は禁止です。コロナウイルスと疑わしき症状のある人も家に居て下さい。公の場で多くの人が集まることも禁止です。第二段階においては、1mの対人距離を守り、マスクを持ち歩き、特定の場所においてはマスクをつけるようにしてください。閉鎖空間はもちろん、野外においても、例えば人があふれているような道で対人距離をたもつのが不可能な場所では、マスクをつけてください。」
「州をまたぐ移動に関しては、6月3日まで禁止が続きます。この期限が切れる前に専門家の意見を聞き、感染症の状況を見て、移動許可がだせるかどうかを判断します。6月3日からはEU内での移動が可能となり、イタリアに入国する人々については、検疫期間が廃止されます。これは観光業界の助けとなるでしょう。」

経済活動やその他の活動については、各州において感染者数の増加がないことを確認し、また、感染予防対策がとられていることを条件として、以下のように再開されます。
・5月18日から 
洋服屋などのすべての小売店
美容院、理髪店、エステサロンなどの接客業
飲食業(レストラン、バール、ジェラテリア、パブ等)
海水浴場
宗教行事
集団でのスポーツの練習(サッカー等)
博物館
・5月25日から
スポーツジム、プール、各種スポーツセンター
・6月15日から
劇場 
映画館
子供向けの各種の活動

「私たちは生産活動の段階的再開に向かっています。しかしながら、活動を”再開”することが経済的な”復活”とならない分野があることも理解しています。経済的困難、社会的不和がすぐさま解決されるとは思っていません。私自身、道を歩いていて、閉じられたシャッターに”援助なしでは再出発できない”と書かれた張り紙をみました。多くの手紙も受けとりました。イタリア再起動に関する法律は、とても巨大な金額となりましたが、これがすべての経済的問題、社会的問題を解決するとは思っていません。しかしながら、(私たち政府は)再出発しなくてはならない方々を助ける所存です。」
「これらの政策でもって、私たちは(感染症によってひきおこされた)このすさまじい”衝撃”を少しでもおさえるための”橋”をかけようと思っています。」
「経済的にも肉体的にも、そして精神的にも、私たちは皆消耗しています。しかし(政府は)まだ立ち止まるわけにはいきません。この国の経済を動かすため、走り続ける必要があります。すぐに「シンプル化のための法案」の成立を目指して動きます。同時に、ヨーロッパレベルでこの緊急事態に対応するための新しい経済政策について議論します。」
「シンプル化の目的は明白です。行政手続きを簡素化し、時間を短縮し、透明度を高める。そしてコストをかけないで、経済的社会的な成長を目指す。その後、大きな視点で持って、私たちが望むイタリアに投資しましょう。もっと環境に優しく、デジタル化がすすみ、包容力のあるイタリアに。」

「ああ、そういうイタリアになればいいわねえ」と思う反面、「免疫アプリってなに?」「一気に人が道にあふれるのではない?」と、心配がないといえば嘘になります。しかし、とにかく、明後日からは、一見ほぼ以前のような生活が戻ってくることになるのでしょう。

そうか、家から出れるんだ...

この記者会見を特別な感慨なしに見ることはできませんでした。


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