カリフォルニアの葡萄とワイン
近場のワイナリー
先日、お友達カップルに誘われて近場のワイナリーめぐりをしてきた。リストアップしてあったのは10軒ぐらいだけれど、一軒あたりワインの試飲は、軽く5、6種類になるため、ワイン好きで飲める人でも、2軒か3軒のハシゴが1日の限界。今回は、午後からぷらっとでかけたので、2軒だけ。私は、呑めないので、香りと色を楽しみ、ちびりと夫のワイングラスから味見をして、あとは水を飲んで、酔いをさます。(これが本当の利き酒ではないか、、、と、思う)
私の住んでいるあたりのワイナリーは、2000年以降にできたところが多い。「サンフランシスコ、シリコンバレーなどの都会で働いてきた人たちが退職金を投資して広大な土地を老後の楽しみとして買う」「それまでの農家の世代交代により、土地を分割して売りにだしている」「この辺りの土地の今後の値上がりを見込んで、将来住宅地になるまでワイン作りをする」どうやら需要と供給があっているらしい。
今日行ったワイナリーは、世代交代で放出された土地のほんの一部、24エーカーを購入したという。オーナーは75歳ぐらいの上品なご婦人とご主人。葡萄農家というよりは、ディナーパーティーを開いてワインを楽しんでいる方が似合う。
さて24エーカーってどんな大きさなの。
調べてみた。「1エーカーは、雄牛2頭引きの犂を使って1人が1日で耕すことのできる面積」
なんやそれ。昔は、そうやって土地の売買していたんだろう。
「それって、サボりぎみの牛、働き者の牛、によって土地の大きさ変わるんとちゃうん?」とツッコミたくなる。あの向こうの小川から、あちらの森まで、、という形で土地の売買をする人もいるので、まあ、アバウトな感じでよいのだろう。
24エーカーというのは、東京ドーム2つ分の土地だそうで、9.7ヘクタール、29万坪。48頭の牛と24人の農夫が、「よーいどん」で、犂を使って1日耕やせる広さ、、、
広いです
こども園の庭
私は夫と別れて数年間、0.6エーカーの土地を借りて子ども園を開いていた。水を撒いてくれるスプリンクラーが壊れていた。庭の芝刈りも、薔やラベンダーの花や、果物の木の手入れも全て私が一人でやっていた。保護者が、「先生、こんなに土地があるんだからポニー飼いましょうよ。うちにいる一頭持ってきますよ」「アヒル数羽今度持ってきますよ」「ヤギ飼いません?」など、たくさんの提案をいただいた。
シングルマザーになったばかりで、子ども二人と自分だけで大変だった上、ブラックラブラドール犬もいたので、ニワトリ2羽と迷い込んできたうさぎ1羽だけで、勘弁してもらうことにした。
専業農家と比較するのはおかしいだろうが、エーカーの半分でも大変なので、24エーカーがどれくらい大変なのかよくわかる。
今の子ども園は、4分の1エーカー。牛さんが朝飯前に、耕せちゃう広さだ。普通のこじんまりした自宅で、子ども園をやっている。家を購入して一番にやったことは、庭にスプリンクラー(自動散水機)のシステムを入れること。迷い込んできた猫とうさぎ1羽、ニワトリ2羽と、私と息子二人の構成でもなんとか、楽しく回していけたのは、手入れする庭のサイズが手頃だったからだ。
庭には、樹齢の長い葡萄の木、グレープフルーツ、レモンの木がもともとあった。引っ越してきて、りんご、桜、みかん、日本の梨、桃2本、ネクタリン1本、ゆず1本、オレンジ一本、すもも1本を植えた。何も手入れをしなくても、時期になると花を咲かせ、実がなって、収穫時期がくる。オーガニックと名をつけなくても、太陽と水の恵みで育つので、農薬などいらない。
収穫が一番大変といううれしい悲鳴を収穫の季節になるとあげる。
我が家のブドウは、黄緑色の小さい葡萄。こども園の、9月のおやつには葡萄が登場する。小さくて、タネがなく皮が薄いので子供には食べやすい。好き嫌いの多い子供は、給食で嫌いなものが出そうな時は、葡萄の木の下で、あらかじめ腹ごしらえしていたりする。(子供達、賢い!)
多く実りすぎた年に、子どもたちと絞って瓶に詰めて冷蔵庫に保存しておいたら、いつの間にか忘れ去られ、、、スパークリングワインになっていた。(あらら、、これはお子ちゃまには出せないわ)
私は呑めないし、呑める人にはおそらく不合格の出来だろうし、、で、そのまま「さようなら」した。
こんな手軽さなので、将来ワイン農園をやろうという人がたくさんいても不思議ではない。そんな農業王国、カリフォルニアに住んでいる。