初めての彼

23才

バイトと習い事で
大忙しだった私に
ひとつ年下の彼が出来ました。

大手音楽専門学校に通っている
ドラマー志望の人でした。

バイト先の友達の通っている
専門学校のセッショングループの仲間

よくある
出会った勢いでなんとなくそんな仲に

華々しい高校大学生活がなかった
と言うか
やりたいことを見つけて
その道に夢中だったので
普通に恋愛することを知らなかったんです。

好きな人がいたことは
幼稚園小学校中学校にありました。

恋愛と言う仲を好まなかった
友達のままでいられないのか

男友達を渇望していた。

それも生涯


小学校からの女友達からは
はたちの私は

ロンバケの山口智子に似てる

こんな風に言われましたが
言った彼女が極悪の意地悪だったので
未だに真意不明のまま

さばさばしていて
社交性があって
個性的で
カッコよく見えたのでしょうか

赤髪のベリーショートに
ジーパンTシャツ仕様
たまに
かわいいミニスカートワンピ

化粧っ毛が全くない私は
綺麗にお化粧している
バイト仲間を掴まえて

(綺麗な顔してるのに)
何でお化粧するの?

とは直接言いませんでしたが
遠回しに言った記憶が…

彼は
180センチ以上あったでしょうか
何系のドラムをやっていたのか
よくわかりませんでしたが
ちょくちょく仲間うちのライブで
助っ人ドラマーをしていて
練習に連れていかれた記憶がうっすらあります。

凄くマメで
扱いが丁寧な人だったので
イヤな思いをしませんでした。

お互いに趣味の料理を作り合い
食べ合い
エッチのあとには
ひとり分づつコーヒー豆を挽いて
カップにコーヒーが定番に。

音楽の好みは違ったけれど
家庭的な雰囲気をふたりで作れたことが
良かった。

派手にどこかに連れまわされたり
都会的なドラマのような
疲れそうなお付き合いではなくて

一緒に
大久保の彼のお父さんの喫茶店から
新宿まで歩いてお散歩して
一緒に電車に乗って…

印象的だったのは
彼が背が高いので
車中では彼の座る前に毎回
私はたちんぼう

私がぎゅっと手を握りすぎるので
彼の時々手が真っ赤に


ふと
三鷹駅の歩道橋で


何でおなかが痛いのかなぁ


未成熟な体から
こんな声が聞こえてくるように

行為後の疼痛が誰にも言えなかった。

私の不安定の序章でした。




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