[英傑に学ぶ!③]ECの課題をどうする?徳川家康のサプライチェーン・マネジメント
こんにちは。
LOCAL LOGITEXの佐藤慶樹(けいき)です。
大河ドラマ『どうする家康』が今週で遂に最終回を迎えます。
序盤は静かな印象を受けた本作ですが、天下統一に近づく後半からはストーリーがグッと盛り上がってきましたね!
ということで、今回は「英傑に学ぶシリーズ」の第三弾として、300年にわたる太平の世を創り上げた徳川家康を題材に進めたいと思います。
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1.サプライチェーンを制した者が乱世を制した
家康がまだ「松平」と名乗っていた当時は戦国時代の真っ只中です。
甲斐の武田(信玄)や駿府の今川(義元)が老舗の大企業とすると、尾張の織田(信長)や三河の徳川(家康)は規模の小さい、今でいうベンチャー企業といえます。
そのような環境から信長や家康が最終的に”天下人”になれたのは、最前線の戦闘の強さや上手さはもちろんのこと、それを支えるサプライチェーン(供給網)を制したことも理由のひとつとして挙げられると思います。
例えば、戦国時代のイノベーションのひとつ「鉄砲」ですが、鉄砲自体はポルトガル人が種子島に漂着して伝来されたことは一般的に知られています。
また、信長が考案したとされる鉄砲の「三段撃ち」作戦は、織田・徳川連合軍が武田勝頼軍に圧勝したことでとても有名です。(長篠の戦い)
ですが、この鉄砲に使う火薬の原料や弾の原料である鉛がどのように調達したかはあまり知られていません。
信長のほかにも「三段撃ち」を考案した武将は多くいたかもしれません。ただ、それを実行できたのは、弾薬の供給ルートをしっかり確保していた織田・徳川連合軍だけだったのです。
2.競合との戦いで「共進化」した徳川軍
歴史学者である磯田道史氏は、信長と家康の同盟について触れ、次ように続けています。
家康は日々の挑戦から多くのことを学び、アライアンス先や競合と切磋琢磨して自国を強化していきました。最終的に武田も織田も滅び、家康が勝ち残ったことは非常に興味深いです。
3.アライアンス先との戦略的パートナーシップ
信長と家康の同盟は、西へ進み天下に覇を唱えたかった信長と、東国(武田や今川)からの攻撃に耐えることに集中したかった家康の思惑が合致し、うまく棲み分けられた戦略的パートナーシップといえます。家康が東を抑えているうちは信長は安心して西へ打って出られ、逆に信長が西を制していくにつれて家康にとっての後方の憂いが解消されていきました。
現代のECビジネスでも、商品開発やマーケティングといった「攻め」に集中することは競合他社との争いを勝ち抜くために重要です。一方、「守り」といえる供給業務(調達・製造・物流)は協力会社にアウトソーシングする企業が増えてきています。
日本のビジネスシーンにおいて人員不足が課題と言われている昨今ですが、信長と家康のように、いかに戦略的パートナーシップを築けるかが、ECビジネスを勝ち抜く重要なポイントといえるでしょう。
また、武器や弾薬の確保のほかに信長と同盟を組んだ理由があります。それは流通網の確保です。
家康は信長との同盟により経済面の充実も手にしていました。その資金力が天下人となる「大器晩成ストーリー」に繋がっていったのです。
4.最後に
今回ご紹介したように家康のサプライチェーン戦略は現代のECビジネスでも学べる点が多々あります。ぜひ参考にしてみてください!
(1)調達先の多様化で競合との差別化を!
(2)アライアンス先との戦略的パートナーシップで一点突破!
(3)流通ルートや物流網を確保して売上を最大化!
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