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人種差別を考えた|読書感想文
『ママたちが言った』を読んで
ある本を目当てに図書館に行き、ふと目に入った1冊の絵本に心を奪われた、今日。
元気いっぱい、愛されて愛されて育ったジェイ。
背が1cm伸びるごとに悲しそうな顔をするママ。
この時までは、子供の成長がうれしくもあり、寂しくもある、私と似たような気持ちかな、と思っていた。
いや、違う!
それだけでは無い、全然違う理由がジェイの家族には、、、いえ、アフリカ系アメリカ人として産まれた全ての方々に重くのしかかる現実がそこにはあった。
まず、フードをかぶらないこと。
顔を隠して、あやしいやつだと思うひとがいるから。
もし警察によび止められたら、携帯電話に手をのばさないこと。
銃だと思われるから。
買い物をする時はポケットに手をつっこんだりしてはいけないこと。
なにかをぬすんだと思われるから。
おそくまで外を出歩かないこと。
それから、そう、外で友だちとさわがないこと……。
何も悪いことなんてしていないのに。
みんなと同じように笑い合いたいだけなのに。
友だちと遊んでいたいだけなのに。
たまにはフードもかぶって、イヤホンで音楽聴きながら、クールに、ワイルドにいたかっただけなのに。
世の中に人種差別差別がある限り、彼らはずっとこのことを可愛いわが子に伝え続けなければならない。
自分の身を守るために。
愛する我が子を守るために。
私はそんな辛いことを我が子に話したことは無い。
友だちと群れてはいけない、なんて。
ポケットに手を突っ込んではダメ、なんて。
きっと大学生になった息子は夜、フラフラと友達と出歩くこともあるだろう。
そんなことに気を使わなければならないなんて。。。
辛いよね。。。
本当は言いたくないよね。そんなこと。
知ってるよ。
あなたはとってもいい子だって言うことを。
本当ならこんなこと、知らずにいた方が幸せかもしれないけれど。
でも、強くあれ。
強く、強く育て!ジェイ!
そう言いたくなった。
逃げないで、目を逸らさないで!
わたしたちの問題です。
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オナー賞受賞作品