自動車用車載充電器の論文
論文タイトル
High Power Density On-Board Charger Featuring Power Pulsating Buffer
書誌情報
IEEE Open Journal of Power Electronics, 2024年, Vol. 5, pp. 162-170
著者氏名,所属
Hector Sarnago, Oscar Lucía
Universidad de Zaragoza, Zaragoza, Spain
論文概要
本論文は、電力パルスバッファ(PPB)トポロジ(日本語としてはアクティブバッファとかパワーデカップリングと呼ばれている)を活用した高電力密度のオンボード充電器(OBC)の提案を行う。この提案により、直流リンクキャパシタのサイズを大幅に削減し、より高い電力密度と信頼性を実現することができる。提案されたアーキテクチャの解析と設計上の主要な検討により、3.6 kWの実験プロトタイプを設計および実装して、この提案の実現可能性を証明する。
研究対象
要素技術
パワーデバイス,ゲート駆動回路,磁気デバイス
回路方式
電気自動車
論文の主張点
本論文の主な貢献は、電力バッファ(PPB)を特徴とするOBCトポロジを提案することで、コンバータの性能、信頼性、および電力密度を向上させることである。
背景
電気自動車(EV)技術は、環境および社会的な課題を克服するための鍵となる技術として浮上している。パワーエレクトロニクスは、バッテリーの充電および管理、直流配電システム、およびモータ駆動システムなど、EV技術の多くの領域で重要な役割を果たす。しかし、コスト、性能、信頼性、電力密度などの面で解決すべき課題がある。
研究の手法
提案されたOBCトポロジは、トーテムポール整流器とDAB( DC-DCコンバータ)をベースにしており、バッファキャパシタの電圧をスムーズにするためにバック型PPBを採用している。このバック型構造により、直流リンクキャパシタの必要値を大幅に削減し、蓄えられたエネルギーのより良い利用を可能にする。
結論
本論文では、電力バッファ段を利用して高性能かつ高電力密度のOBCアーキテクチャを提案した。提案されたコンバータは、電力密度だけでなく信頼性や装置寿命も大幅に改善する可能性を持つ。
この論文の位置づけ
本論文は、EVのオンボード充電システムにおいて、従来の直流リンクキャパシタの制約を克服し、高電力密度および高信頼性の実現に向けた新しいトポロジを提供するものであり、将来のEVシステムの設計における重要な進展を示している。