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ネパール32日目:カトマンズ大学芸術学部、仏教彫刻、お別れ会

12月08日(日)
さて、今日もいつものお店でズーズーダウをいただきました!結局何食目なんでしょうね。実は私もよく把握しておりません。

今日はカトマンズ大学へ伺う日。明日が日本帰国なので、帰国前に伺ってさよならの挨拶をしておこうというお話です。ネパールに到着したのが11月7日の深夜前。それから数日後にカトマンズ大学芸術学部3年生2学期の生徒達を「私の」先生達として受け持ち、2週間ほどお互いに学びを深めました。そんな彼らと会う最後の日です。

と実はその前に以前から仏教彫刻を手がけるスタジオが大学のすぐ近くにあるとのことで、訪問希望を伝えていたところ、授業の前に伺えるようにSanjeep教授と彫刻担当の教授が調整してくださいました。ということで、午前9時に大学に集合。私は少し早く着いてしまいましたが、同じタイミングでSanjeep教授も到着。オフィスで一服してから、彫刻担当の教授と合流し、スタジオへ向かうことに。本当にものの1~2分の距離にその工房がありました。

早速、中に迎え入れてもらい、オーナーの方から直々に手がけられた実物を前に解説や私の質問に答えてくださいました。ワックスで原型を作り、粘土や麦藁を混ぜたもので型取りをして、パーツごとに鋳造したあと細かな部分を掘り込んでいくという様な工程です。主に銅で制作されているとのことでしたが、時には銀でも作られるとのこと。多くは私と同じくらいかそれよりも大きなサイズのものでプロポーションや細部など精巧に作られている仏像の数々でした。

お話を伺っていると元々はオーナーのお父さんが始めたとのこと。ここで制作されている仏像は基本的には寺院や修道院に納品されるもので、中には一般の人の目には触れられないある程度の修行を経た仏僧しか見ることのできない仏像の制作途中のものもありました。そのような貴重な仏像の数々が置いてある敷地内の制作現場を見学後、オーナーのお父さんに合わせていただけることに。

お部屋に通していただきましたが、お部屋にはダライ・ラマとの面会やネパールの重要な政治家などとの面会の写真の数々が飾られていました。本当にネパールの仏教界で重要なお仕事をされて来たお方です。奥の部屋からゆっくりと出てこられましたが、お年は93歳とお聞きしたと思います。今でも現役で制作されていて、オーナーとともに共作されるとのこと。9世代くらい前にネパールの王族から呼び込まれパタン宮殿近くに引っ越した農家の家系だとのことです。仏像づくりはこの93歳のお父さんが子供の頃から粘土で造形などして手先が器用だったところから最終的に仏像づくりに移って行ったとのこと。仏師に教えてもらおうとした時期もあった様ですが、異なるカーストだったこともあり、独学でスタイルや技術を確立させたとのこと。

長年、仏像を制作してこられたとのことでしたので、さぞかし厚みのある手をしておられるのかと、手を触らせていただきました。これまでネパールの方々に会うたびに握手して来ましたが、このお父さんの手が今までで一番柔らかい手のひらをされていました。繊細なお仕事がでいる理由がわかりました。ワックスで原型を作るなどされているからでしょう。お会いでき、手を握らせていただけて本当にありがたかったです。

カトマンズ大学学食ダルバート!

その後、大学へもどり学食でランチをいただきました。たぶん、今回のネパール最後のダルバートです。とても満足!

午前11時になり担当していたクラスへ向かうと生徒はちょっとまばら。全員が出席していなかったですが、7~8割の学生と再会できました。各自、与えられた課題をこなしている様で、その途中経過を見させていただき、できる限りのコメントを提供して来ました。Sanjeep教授の計らいで、4年生のスタジオにも誘っていただき、ここでも卒展に向けての進捗を見せていただき、できる限りのコメントを提供して来ました。

授業の終わる午後3時まで大学でできるだけ長く学生と一緒にいようと思っていたのですが、携帯サービス会社から急遽、書類の提出が必要との要請が入ったことと、疲れが溜まっていたので、早めに大学を去ることにしました。最終日ということもあり、学部長や他の教授達との夕食会の案が検討されていましたが、はっきりした回答はないまま大学を出たところで、学部長はじめ顔馴染みになった教授人達が正面から歩いてやって来ました!お~、最後に会いたかったみんながいる!ということでお世話になった感謝の意を伝え、みんなでセルフィー!良い思い出ができました。

それからホテルに戻り急用を済ませた後、仏師のお父さんからお聞きしていたテラコッタでできた寺院があり宿泊先から近いことを知り行ってみることに。いや~、本当にテラコッタでできてた。しかもいくつもいくつも小さな仏像が精巧に作られ四方に配置されていました。一見の価値あり!茶褐色の粘土で一つ一つ掘られた痕跡も確認できるありがたい仕上がり!メインの建物の隣にはブッダとマヤデヴィの配置された建物もありました。

テラコッタでできた寺院

そうこうしていたら、Sanjeep教授や学生と合流の時間。ホテル近辺を散策し、修道院や寺院をめぐり、最後の夕食。私では辿り着けないローカルなお店でしかも美味しい。Jhol Momo、Buffなどと共に、Thombaをいただきみんなで無限Thomba!途中からWataru Oikawaさんも合流して、今回の滞在やアーティストの生活など語り合いました。

最後はまたPatanのダルバー・スクエアに戻り立ち話。みんな帰る方向が違うので、迎えを待つ間、カバンの物売りがやって来ました。なぜか声を掛け、持っている商品を見せてもらい、物言いというか交渉を始めました。というのも、PRADAと書いてあるバッグを売っていたので、いくらですかと問うと、「これはネパール・オリジナルで350NPR」って。「えっ?」イタリアのブランドPRADAがネパールのオリジナルなわけはないでしょ。しかも記事にはまた別のブランドのロゴが入った記事が使ってあって、350NPR。日本円で385円?で、試しにどこまで値段交渉できるか250NPRにディスカウントできるか交渉したら、「仕入れが250NPRだけど、250NPRでも良い」という返事。う~ん、ありえない!!儲けゼロじゃん!この感じはやっぱりすごい!自己犠牲と資本主義に対するラディカルさ!何が起こってるか分からないけど、すごいわ~!って感じ。

そんなちょっとした不思議に感動している間に、Sanjeep教授も直感に従ったのかカバンを購入し、私にプレゼントしてくれました。もちろん、ちょっと値段交渉してました!最後はなぜかSanjeep教授のカバンに入っていたヴェトナム語のトランプにメッセージをいただき、そのランダムさに大笑いしながら、別れの挨拶を交わして各々の家路につきました。

みなさん、良い思い出をありがとう~

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Keijiro Suzuki
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