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知らない街を旅する

7月31日(水)から台湾に来ています。
10年ほど前に1度、ヴェトナム系アメリカ人のアーティストの知人が参加するビエンナーレを訪れるために来たことがありましたが、それ以来、機会がないままでした。その時に知り合った台湾のアーティストやこれまでに日本やその他の国で出会ったアーティストやアート関係者のおかげもあり、比較的不安もなく台湾に来ることができました。

現在、私が滞在している新竹市については、googleで検索できる範囲の大まかな知識くらいしか知らず、少しずつ見聞を広げている最中です。台湾初日は台北で過ごし、その後8月1日から今日までの約4日間は新竹市を拠点に生活をしています。台湾と日本の相互の文化的な影響は薄々感じていましたが、実際に街を歩いてみると、見慣れた景色ではあるのですが、食べ物も人も言葉も違うことに実感します。

さて、私の基本的な日常をお伝えすると、朝のなるべく涼しい時間帯に近所を45分程度散歩します。興味の赴くままに歩きますが、なるべくルートの一部は同じところを通ります。私の場合は近くに公園です。この公園へ行けば、健康器具もあり、テニスや体操をする人たち、主におじいちゃんやおばあちゃんが元気に体を動かしていて、なんとなく一体感を感じられます。

朝の散歩の後は、帰宅し朝食を食べたり、シャワーをして、今書いているようなnoteや1日の計画を確認し、拠点となっているスタジオへ徒歩で向かいます。この時点で大体午前9時から10時ごろになりますが、もうすでに外を歩くには暑く、スクーターや車で通勤や移動する人たちで交通量の多い道の傍を歩き、25分かけてスタジオへ着いた頃にはかなり汗もかき、熱にさらされた体や頭はそれなりに疲労してしまいます。エアコンや扇風機などの存在が本当にありがたく感じられます。

その後は、リサーチや打ち合わせなどを進め、ランチタイムには再度、外に出て、近所を散策しがてら、目新しいご飯を探します。私は台湾の言葉が話せないので、基本的には英語か日本語で話してみて、伝わる方でコミュニケーションをとりますが、それでもわからないときは、翻訳アプリを使って、なんとコミュニケーションをとっています。ただ、台湾のメニューを見てみると、漢字で書いてあるのでなんとなく馴染みがあって理解できそうなのですが、今のところ、スマホの写真機能で文字を指定し、翻訳しないと理解できない状況です。翻訳できたとしても、具材や料理方法、実際のサイズまではしっかり理解はできないので、出てきた時に期待していたものが出てくることもあれば、期待とは少し違ったものが出てくることもあり、そのギャップを楽しんでいます。

新竹市に来てからまだ数日しか過ごしていませんが、週末には拠点の施設でいくつかイベントもあり、参加することで情報交換をしたり、交流を深めているところです。この数日のうちに、ワークショップ、展覧会、レジデンス報告会、夕食会と、かなり充実したイベントに参加させていただいております。ここまで書いてきていますが、具体的にどこの施設かはご説明しておりませんが、時期を見て、別の投稿でお伝えしたいと思います。

さて、夕方以降は、滞在しているアパートに戻って、買い物をしたり、たくさんあるご飯屋さんで夕食を食べたりして過ごすのですが、一昨日の8月3日(土)には、なんとなく思い立って、夜の街の散歩に出かけました。新竹市は人口50万人ほどと比較的人口も多く、ランドマークの位置関係をそれなりに理解しないと迷子になってしまいます。よくわからないまま歩いても、暑さで体力を消耗するだけですし、興味の赴くままに携帯でスナップショットや動画を撮影しすぎると、バッテリーがなくなり、携帯のマップ機能が使えなくなり、本能に頼るしかなくなります。と、お察しいただけると思いますが、街を歩く時には携帯のマップ機能が本当に役立ちます。ただ、時には本能に従って、なんとなく思いのままに歩くと思いもかけないことに出会すことがあることを今回実感しました。

散歩に出かけたのは、大体9時半くらいだったと思いますが、まだ歩いたことのない大きな通りを歩いて、新竹市のプロ野球スタジアム前を通り過ぎ、新竹市に来て初日に連れて行ってもらった由緒ある城隍廟へ向かったところ、なにやら大きなアナウンスが聞こえ、警察が交通誘導をし、市民が建物の中へと次々に入っていきます。日本のお盆のようなイベントがある時期だということは聞いていました。言葉も習慣もよくわからないまま神聖な城隍廟に入っていっていいのか少し心配でしたが、好奇心の方が勝り足を止めることなく入ってみました。すると、中は多くの人で埋め尽くされ、熱気もすごく、今にも何かが起こる様相でした。状況がよくわかりませんでしたが、近くにいた人に英語で声をかけ、親切に教えてくれたのが、「10分後には建物の正面の扉が閉ざされ、儀式が始まるから、中にいてもいいし、外から見学するのでもどちらでも大丈夫ですよ。でも、中はかなり暑くなりますよ」と言われましたので、正面の扉のすぐ外に出て、一部始終を見てみることにしました。

引き続き、台湾の言葉でアナウンスが続き、たくさんの人で埋め尽くされた会場で、何が始まるのかよくわからないまま様子を伺っていると、あるおばちゃんからこのイベントに関するキーホルダーを手渡されたのでありがたくいただきました。黄色い三角形のキーホルダーでした。アナウンスと熱気に包まれながら、周りの状況を観察していると、イベントに関する表示があり、この日は「福門大開」と書いてありました。漢字が読めるので、すぐに何か縁起の良い儀式だということはすぐに理解できました!

「お〜、なんてラッキーな場に来られたんだ!」と思いながら、引き続き様子を見ていると、アナウンスやそれを聞く人たちの様子が少しずつ儀式モードに変わり、私も周りの人たちに合わせてお辞儀をしたり、祈願してみました。と、ようやく「ふくもんかいも〜ん」というような言葉が聞こえ、正面の扉が開き、たくさんの人々が列をなして出てきました。その中から全長3〜4mの白い人の形をまとった人と2mほどの黒い人の形をまとった人が儀式をするように踊って出てきました。周りの人たちも今か今かと待ち侘びていたので、その一部始終を食い入るように見ていました。途中で隣にいた人の携帯を覗き見して分かったのですが、この新竹都城隍廟の行事はyoutubeでも配信されていて、一部始終が見られるようでした。

一通り落ち着いたところで、新竹都城隍廟の中へ入り、中央に鎮座している黒半分と白半分の人物の置物の前で、お祈りをして帰路につきました。すごく縁起の良いところに、運良く出会すことができ、興奮しながら新竹市のホスト役の人たちにインスタグラムで写真やメッセージをしていたので、帰る途中で携帯のバッテリーが切れ、最後はまた本能と記憶を辿り滞在先まで帰ってきた頃にはほぼ深夜12時頃となっていました。8月中はずっとこの行事に関わるイベントがいくつか開催されるようです。

その時のLIVEは以下から見られます。
(私も小さくですが、ちらっと写っていました。笑)



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Keijiro Suzuki
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