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第1回公判(初公判)

【おことわり】
裁判が終わるまで、被告人である私から審理内容についての詳細をお伝えすることは控えさせて頂きます。あらかじめご了承ください。

いよいよこの日がやってきました。

不思議と前日はぐっすり眠ることができ、心身・体調共に完璧な朝を迎えることができました。

裁判所へ向かう前に弁護士先生の事務所へ。

少しだけ時間がありましたので、先生とお話しを。

間接証拠の積み上げだけで起訴された私ですが、弁護士先生には犯罪の事実がないことに対しての立証活動を精力的にやって頂きました。判決はまだまだ先ですが、ここまでの活動について感謝してもしきれないくらいです。

犯行を確実に裏付ける証拠もなければ、犯行を確実に否定する証拠もありません。推定推定で進んできた今回の事件ですので、この弁護には葛藤もあったかもしれません。ただ、その中で私の無実を強く「信じてくれた」ことが私自身何よりも一番嬉しく思っています。

事務所の応接室を出る前に先生が「それでは、頑張りましょう!」と両手のこぶしを前に。そのままグータッチしました。留置場の中のアクリル板越しでも、保釈されてから正式に弁護依頼した時も、このグータッチは一つの儀式としてやってきました。気持ちが高まる瞬間です。

先生の事務所から徒歩10分くらいのところにある地方裁判所へ。

保釈中、あちこちの裁判所で傍聴してきましたが、ここに来たのは初めてです。

入口で手荷物検査を受け、法廷へ。

共同弁護を担当していただいている弁護士先生はもう既に到着されていました。程なく、検察官も到着。不思議と緊張しなかったと覚えています。

初公判の前に公判前整理手続です。
ここには裁判官も加わり、今後の争点や公判日程を確認しました。
終了後15分ほど休憩を挟んで、いよいよ初公判の開廷です。

今回の法廷なんですが・・・傍聴席は、なんと!70席ほどある法廷です。
私も勉強のために数々の裁判を傍聴してきましたが、地方裁判所でここまで傍聴席があるのは珍しく「ここが埋まるくらい傍聴希望者がきたらどうしよう(汗)」という”変な”不安の方が大きく、内心ドキドキしましたが、傍聴人はたったのひとり(笑)。

開廷後は被告人の人定質問→黙秘権の告知、検察官の冒頭陳述、弁護人の冒頭陳述と続きました。共同弁護人である弁護士先生からの冒頭陳述は論点が非常に的を得ており、私自身も感謝の気持ちでいっぱいになりました。ふと検察官に目を向けると敵側であるにもかかわらず時折頷いていました。
思っていた感じと違い、何とも変な光景です。

そうこうしているうちに、無罪を争う裁判にもかかわらず、唯一の傍聴人も途中で退席されました。

私自身、保釈中ですので手錠腰縄をされておりませんし、警察官や法務省職員の付き添いもありません。雰囲気的には民事裁判のような感じでした。

でもこれはれっきとした【刑事裁判】です。

事実、『犯人のいない』法廷での審理ですが、だからこそ絶対に無罪を勝ち取りたく思います。

私個人のこともそうですが、これで有罪判決がくだることとなれば、これからも延々にわたって「疑わしきは有罪」という暗黙の了解のもと、冤罪が起こる礎となる気がしてなりません。

私は今回の事件で刑事被告人となり、今までは特に気にしてこなかった数々の冤罪被害者の姿を目の当たりにし、とても大きな衝撃を受けました。そして、そこから私にできることを真剣に考えてきました。冤罪被害の温床である人質司法についても声を上げていかなければならないと思っています。

第2回公判から先はしばらくの間、証人尋問が続きます。
直接証拠がない事件ですので、証人も結構な数です。

引き続き、頑張ります。

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