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【エッセイ】けーすけの独り言

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大人になっても「妄想」と「いたずら」がやめられない『けーすけ』が、日常をゆるく綴るエッセイ。不定期で更新中。
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#LGBT

「違い」という名の宝物

長年、僕は「普通」になりたくて必死だった。 自分がLGBTQであることも、複雑な家庭環境で育…

けーすけ
4か月前
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僕が親父の息子じゃなかったら

僕が親父の息子じゃなかったら、誰かに敷いてもらったレールのうえを、誰かの意に沿いながら生…

けーすけ
1年前
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最終話 あなたの来る場所じゃない

いつもの朝だと思っていた。 何の前触れもなく、そのときは訪れた。 工場に出ていた僕は七ヵ…

けーすけ
1年前
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第十一話 何があっても、家族は家族のままだった

この記事はシリーズものです。 最初からお読みになりたいかたは、こちらから。 忘れられない…

けーすけ
1年前
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僕は「たった一人」になりたいと思います

絶対に言いたくない。 できれば隠し通して生きていきたい。 僕は次の3つの過去に対して、長…

けーすけ
1年前
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第十話 自分がすべてを選んでいた

この記事はシリーズものです。 最初からお読みになりたいかたは、こちらから。 僕が美紀と付…

けーすけ
1年前
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第九話 今もこれからも、大切にしたいこと

この記事はシリーズものです。 最初からお読みになりたいかたは、こちらから。 三畳ほどの狭い独房で、一人考える。 自然と頭の中に浮かんだのは、たった一つ。 大切な人を大切にすることだった。 でも、僕にとってそれは何を意味するのだろう? あれこれ考えているうちに、わからなくなっていく。 何をどうしたら、大切な人を大切にしていることになるのだろう。 鉄格子のついた窓から見える銀杏の木に、ふと目をやった。 柔らかな風に乗って、黄金色の葉が優雅に宙を舞っていく。 そこ

第八話 叱責のない面会室

この記事はシリーズものです。 最初からお読みになりたいかたは、こちらから。 面会室の扉に…

けーすけ
1年前
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第七話 失恋間近の二十六歳の僕へ

この記事はシリーズものです。 最初からお読みになりたいかたは、こちらから。 二十六歳の僕…

けーすけ
1年前
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第六話 愛と現実の狭間で

この記事はシリーズものです。 最初からお読みになりたいかたは、こちらから。 胸が上下する…

けーすけ
1年前
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第五話 いつ帰れるのかわからない僕を待つ人

この記事はシリーズものです。 最初からお読みになりたいかたは、こちらから。 「中村美紀さ…

けーすけ
1年前
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第四話 チャンスの神様の前髪は突然に

この記事はシリーズものです。 前作をお読みになりたいかたは、こちら。 あるとき、栗刑事か…

けーすけ
1年前
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第三話 僕を口説いたクリ刑事

この記事はシリーズものです。 前作をお読みになりたいかたは、こちら。 「おまえは、男とし…

けーすけ
1年前
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第二話 はじめての留置場は廃墟のようだった

前回の記事をお読みでない方は、こちらからどうぞ。 窓も時計もない殺風景な部屋のなかに、机と椅子だけが置いてあった。 取り調べをする刑事と補佐役の刑事の二人が、次々と僕に質問を投げてくる。 どのくらい時間が経ったのか、まったくわからない。 「知らないってどういうことだ。いつまでもその言い訳が通ると思うなよ」 僕の向かい側に座る刑事が、飽きれた声で言った。 当初、僕は兄貴たちから、口を割るなと指示されていた。 何も知らないと言い張っていれば、そのうち釈放される、と。