【ゴジラ-1.0】著作権法事件の被疑事実を公開します【オーバーロードⅢ、ハイキュー】
2024年11月6日に声明を発表した、著作権法違反被疑事件の続報です。
被疑者の方の許可を得ましたので、逮捕・勾留された理由を補足します。
今回の事件で、インターネット上では、「法人が行っているから」「営利目的であるから」さらに「ネタバレであるから」だから逮捕されたといった推測がなされています。
しかし、これらは、いずれも事実と異なります。
弁護人は、今回、勾留状謄本、つまり令状の写しを取得しました。
(※ この勾留を決定したのは、齊藤隆広 裁判官です。)
下記の「勾留状別紙」の被疑事実では、サイト運営会社が法人であることや運営していたサイトの目的は、勾留の理由とされていません。
また、記事には映画のネタバレがあるとか、映画全体を翻案したという記載もありません。
今回の逮捕・勾留の理由となったのは、「一部のセリフを文字で抜き出した行為」および「場面展開を文字で説明した行為」といえます。
ですから、 映画であっても、そのセリフを文字で抜き出し、場面を文字で説明すると、誰であっても今回のように逮捕される可能性はある、と言わざるを得ません。
しかも、警察の捜査自体は、権利者からの訴えを待たずに開始することができます(権利者側団体の声明では、宮城県警の捜査を受けて被害者のとりまとめをした、と記載されています。)。
なお、今回のサイトは、被疑者だけでなく、利用者も投稿ができるかたちとなっておりました。
また、勾留状を検討した限り、被疑者・権利者・サーバー設置場所と宮城県(登米市)とのつながりは発見できず、なぜ宮城県警が捜査を開始し、同県内で勾留されるのか、納得できる事情はありません。
すでに申し上げたように、今回の逮捕・勾留は、表現の自由に関わる大きな問題であると考えています。
本件は、決して例外ではありません。作品の台詞を抜き出し、場面を文字で説明すれば、誰にも起こりうることであり、表現の自由への重大な萎縮効果をもたらすものです。