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吾音萌音さんの詩を頂いて

ヴェレゾン(La Véraison) 

              吾音萌音 作

 極上の果実が発酵を夢見る時節

 採リ残された葡萄の葉先

 ポロリと落ちる朝露

 末広がりの畝は規則正しく     


 項を掬う風が

 耳元に髪を泳がせる

 変わりたい

 そうポツリと言った

 君の落雷を

 見届けたかった真夏の

 入道雲はもう


 深紅のイヤリングを

 飽和状態の言葉のモルに押されて

 君の秘密を待っていた

 楢の木片は  

 かっちりと箍に嵌まって       

 円周を囲う

 発泡の上昇はひたすらに

 時の流れに

 任されている


 葡萄という実を

 君はまだまだ知らない

 好きな色とは

 憧れの果て

 笑窪をほんのり染める

 一輪の

 花のような

 残像


先日の
『夏の終わりの海 〜La mer en fin d’été 』 amakouji✕keigoM スペシャル
勝手ながらamakouijiさんのイメージを元に絵を描いて
そこに詩をつけて頂いて素晴らしいコラボレーションになりましたが
今回は少し難解な絵に吾音萌音さんに詩作をお願いし
こちらでも見事な現代詩を頂きました。
しかもタイトルまで考えて頂いて。
吾音さん有難うございました。
なお、吾音さんの記事はこちらです。


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