設備資金の融資を運転資金に回せるかと言う話
設備資金を多めに借りて、運転資金に回せるのか?
銀行融資の支援を行っていると、設備の見積もりを多めに取り、余った分を運転資金に回したいという相談を受けることがあります。これは果たして可能なのでしょうか?
保証協会付きの銀行融資では、設備資金はあくまで設備に使用するものです。最初の見積もり通りに使うことが基本的に求められます。後から設備を勝手に変更すると、計画が崩れてしまうため、経営計画書に記載された設備をそのまま導入する必要があります。
また、融資が実行される際には、通知預金という専用口座が作られます。この口座からは、銀行が請求書に基づいて直接支払いを行うため、会社が勝手に引き出すことはできません。そのため、見積もりを多めに取り、余った資金を運転資金に回すことは基本的に困難です。
一方で、日本政策金融公庫から融資を受ける場合は、設備資金と運転資金が一緒に企業の銀行口座に振り込まれます。日本政策金融公庫は銀行口座を持たないため、振り込まれた資金は企業に全て任されます。設備資金として使用することが前提ですが、基本的にチェックはありません。そのため、設備の価格が当初より安くなった場合、余った資金を他の用途に使うことが可能です。契約書通りに返済が行われていれば、特に問題視されることはありません。
このように、日本政策金融公庫の融資と保証協会付きの銀行融資では、設備資金と運転資金の扱いに違いがあることをご理解いただければと思います。
例えば、設備の見積もりが実際に購入する際に安くなった場合、通知預金の中に余った資金が残ります。この資金は、別の設備資金として使用する場合に限り引き出すことができますが、設備の内容を変更することはできませんのでご注意ください。
以上、設備資金と運転資金の銀行融資における違いについて説明いたしました。
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