2025年4月以降の公的融資制度について

公的融資の「コロナモード」は2025年3月で終了

約5年前に始まった新型コロナウイルス感染症に対応する公的融資の特例措置は、2025年3月をもってすべて終了するとされています。最後に残っていた「経営改善計画を伴う感染症対応の保証メニュー」も、これで完全に終わることになります。

コロナ前からの金融政策の流れ

コロナ以前から、中小企業の「経営力強化」は国の重要なテーマでした。その一環として**「中小企業経営力強化法」が制定され、これをもとにさまざまな金融政策が実施されてきました。たとえば、日本政策金融公庫には「中小企業経営力強化資金」**という融資制度があり、企業の経営力向上を支援する仕組みが整えられていました。

2025年以降の公的融資の方向性

2025年3月以降、公的融資の制度は基本的に2020年以前の仕組みに戻ります。ただし、「経営者保証」に対する考え方は大きく変わりました。国は金融機関に対し、「経営者保証をなるべくつけずに融資を実行する」よう要請しており、日本政策金融公庫や信用保証協会も、この方針に沿った保証制度の見直しを進めています。これにより、経営者の個人保証なしで融資を受けやすくなる一方、金利の上昇やモラルハザード(道徳的リスク)の懸念も指摘されています。

企業に求められる「経営計画」の重要性

今後、公的融資を活用するためには、より精緻な経営計画の策定が求められます。融資や補助金を受ける際には、単なる資金調達ではなく、しっかりとした事業計画を立て、それに基づいて経営を進めていくことが重要になります。

例えば、「小規模事業者持続化補助金」のように販売促進費に使える補助金は一部残るものの、大半の補助金は設備投資向けとなっているため、補助金を活用するにも、戦略的な経営計画が欠かせません。

2025年前半は補助金の活用チャンス

2025年前半には、新たな補助金が多数発表される見込みです。ただし、これらの補助金の多くは先に自己資金や融資で資金を確保しておく必要があるため、資金繰りを考慮しながら活用することが重要です。

まとめ
• 2025年3月でコロナ対応の公的融資はすべて終了
• 経営者保証なしの融資が増えるが、金利上昇の可能性あり
• 今後は「経営計画」をしっかり作り、それに基づいた資金調達が必須
• 補助金活用には先立つ資金が必要なケースが多いため、融資との併用を検討すべき

コロナ禍の特例措置が終わることで、公的融資の環境は大きく変化します。企業としては、早めに準備を進め、資金調達の選択肢を広げておくことが重要です。今後の事業展開を見据え、適切な融資や補助金を活用しながら、持続可能な経営を目指していきましょう。

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