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【社会】論壇フェス

普段Youtubeで見ているポリタスやニコ生深掘TVの主宰、津田大介氏とジョー横溝氏が、独立系メディアを集めていろんなディスカッションをするという「フェス」が開催されました。
二日間、伊豆でということなので行くことはできなかったのですが、配信チケットを買ってひととおりのプログラムを視聴。
非常に面白かったです。

初日はしばらくの間、普段の番組スタイルを観客の前でやるという内容で、すべて1時間しかないので、そんなに深くはないし、いつも通りという印象のものが多かったのですが、夜になって辻田真佐憲氏が「久田将義と吉田豪の噂のワイドショー」に乱入。
ここで一気に面白くなりましたね。
「左翼の集まりじゃないかと言われてますよ」と叫びながらひっかきまわすのがとても楽しかったです。

辻田氏は、今のところ『「戦前」の正体』を読んだのみですが、TBSのアフター6ジャンクションの前進となる宇多丸のウィークエンドシャッフルで認識して以来、歴史への深い造詣、とりわけ戦前戦中のメディアの現物にあたることで「検閲」というものをきわめて解像度高く説明してくれて、スゴイ人だと思ってました。
しかし辻田氏自身は右翼という立場だそうで、にもかかわらずポリタスにレギュラーで出てるんですよね。
その時の視点の鋭さは刺激的で、彼が出るといつも見てしまいます。

私自身、自分の感性は非常に右翼的だと思っており、若い時はかなり右翼だったので、今のリベラルの意見に賛同しつつも、「それだけじゃ足りないんじゃない?」って思うこともよくあります。
この感じをはっきりと言葉にできる辻田氏スゲーと思うんですが、ポリタスに出るときの刺激をより強化して、今回は「酔っ払い中年男性の乱入」を積極的に演じることで誰にでも分かりやすく伝えてくれていたと思います。

リベラルメディアに多く出演しながら自らを右翼と称し、左右どちらに対しても批判をするという意味では、私はかねてから宮台真司氏がベストな思想家だと思ってきたのですが、今回の論壇フェスにも出演しています。
ただ、いつもほど長々とインテリ情報をしゃべらないかわりに、強い口調で女性登壇者や聴衆を怯えさせてしまいそうな場面が多く、話す内容も繰り返しが多い印象となっていました。
特に私はビデオニュース・ドットコムで毎週宮台氏の話を聴いているので、ここで繰り返してくれなくてもいいかなって思ってしまいましたね。
ポリタスにも出たらしいですが視聴者の反発が激しく、以降は呼べない状況となっているようで、このあたりも辻田氏と対照的な感じがあります。
やっぱり、「荒川強啓デイ・キャッチ!」が良かったですよねー。
宮台氏の過激な論に、首を傾げたり呆れたりする荒川氏が絶妙でしたよ。
年齢的な問題もあるのでしょう。

そんなわけで、私の中で今最もイケてる言論人が、宮台氏から辻田氏に移行してきてるな、って思いました。
辻田氏が自分のYoutubeチャンネルを持っていることも今回知りました。
「辻田真佐憲の国威発揚ウォッチ」なんて、チャンネル名も最高です。

もちろん論壇フェスではそれ以外の面白い要素もたくさんありました。
「なぜ「論壇」に女性が少ないのか」なんていうパネルもあったぐらいで女性登壇者が少ないのですが、そんな中でも、塚本ニキ氏や三輪記子氏はもちろん、望月衣塑子氏の面白さがとても印象的でした。
望月氏の著書は読んだし大竹まことのゴールデンラジオでも時々話を聞いていますが、登壇して話をしているのを見て、イキイキしてとても魅力的な人だと思いました。
ウィメンズアクションネットワーク、WANのことも知って、フェミニズムの世界のこともすこし理解が深まったような気がします。
上野千鶴子氏もZOOM出演ながら、さすが面白いなーと思いましたね。

津田氏も言っていましたが、このような形で本人がどんなふうに話すのか、ある程度時間を費やして見聞きしていくと、みんなそれぞれに魅力があって、思想や意見、あるいは見た目や話し方だけで判断できないものが見えてくるなーと実感しました。
イベントとしては、山奥の廃校みたいなところで行きづらかったり、登壇者がホテルの12人部屋に泊まらされたりと(辻田さんがずーっと文句言っててw)色々大変だったようですが、そんな場所でわざわざみんなで面白い言論トークをし合うなんて、こりゃー楽しいわと配信を見ていても思いました。
来年の開催も狙うようなので、行けたらなーと思います。

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