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表現しなくてはいけないもの~明確な内容

前回は、電話応対で表現しなくてはいけないものとして、話をきちんと聴いていることを取り上げました。

今回は、話す内容について取り上げます。


指示代名詞を使わない

電話では指示代名詞を極力使わず、名詞・固有名詞を繰り返しであっても使います。
オペレータの手元にある操作マニュアルを自分で指さしながら「こちらにある操作をしていただければ、それは出来るはずですので…」と電話で言われても困ります。

「こちら」が指すものをお客さまが察してくださることも多々にしてありますが、それは「この人が“こちら”と言っているのは“これ”の事だろう」とお客さまが想像しているだけに過ぎません。また、その想像があっているかどうかも電話の向こう側では確かめることができません。

そうすると、お互いに分かったような分からないような、「多分こういうことを言いたいんだろう」「多分、わかってくださっただろう」で終わってしまいます。実際にはお客さまのお手元にはマニュアルはなく、「あぁ、マニュアルにあるんだ、じゃ、後で見てみよう」というくらいの理解で電話を終えているということも往々にしてあるものです。

それを防ぐためには、少し面倒でも「『はじめにお読みください』の10ページ、マルイチ、『ブログを書く』という項目の1から3の操作をお試しください。」と具体的にご案内したほうが良いでしょう。
「今は手元に無いから、10ページを見てまた分からなければ電話します。」と言ってくだされば、不要な案内に進まずに済みます。

抽象的な言葉を使わない

また、具体的な操作方法を案内する場合でも、「ちゃんと動作しましたか?」はいけません。
”ちゃんと”がどういう状態かを知らない人が電話をかけてきているというつもりで、
「今画面はどのようになっていますか?」
「どのようなメッセージが出ましたか?」などと
一画面一画面確認しながら先へ進みます。
「ちゃんと動作しましたか?」では、指示代名詞と同じでその意味するところを受け手側が勝手に想像してしまい、こちらの意図する動きと違ってもお互いに分からないからです。

言葉を省かない

もう一つ、主語・述語・目的語などを省かないで話します。
これも上の例と同じで、「多分こうだろう」という余地を入れないためです。
日常の会話であれば、シチュエーションによって単語でも十分意味が通じます。
うどん屋で「たぬき」と言えば「私はたぬきうどんを一つ注文します。」という意味です。
会社で、別の部屋にこれから必要な書類が置いてあるという状況なら「あ、行きます」と言えば「私が今すぐその書類を取って参ります。」という意味です。

電話でも、二人の会話の流れがあるのだから十分意味が通じると思いがちです。しかし、もし誤解されたまま電話を終えてしまったら、後でクレームになって返ってくるということにもなりかねません。
100人のうち、99人が文脈を共有し、分かってくださるかもしれません。でも一人のクレームを防ぐために、100人全てに対しての言い方に気をつけるのがビジネスとしての電話応対です。

では、また。

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世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。