あたらしい憲法のはなし~十二 財政
新憲法ができたばかりの頃、政府は新憲法をどう思っていたのでしょうか。
当時の文部省が、中学校1年生用の社会科の教科書として発行した『あたらしい憲法のはなし』を少しずつ、じっくり読んでいきたいと思います。
太平洋戦争終結後の1947年8月2日に発行されたものの、1950年に副読本に格下げされ、1951年から使われなくなったそうです。
全部で十五章ありますので、一章ずつ青空文庫から転載していきます。
今回は第十二章『財政』です。
(まとめ部分を太字にしました)
十二 財政
みなさんの家に、それ/″\くらしの立てかたがあるように、國にもくらしの立てかたがあります。これが國の「財政」です。國を治めてゆくのに、どれほど費用がかゝるか、その費用をどうしてとゝのえるか、とゝのえた費用をどういうふうにつかってゆくかというようなことは、みな國の財政です。國の費用は、國民が出さなければなりませんし、また、國の財政がうまくゆくかゆかないかは、たいへん大事なことですから、國民は、はっきりこれを知り、またよく監督してゆかなければなりません。
そこで憲法では、國会が、國民に代わって、この監督の役目をすることにしています。この監督の方法はいろ/\ありますが、そのおもなものをいいますと、内閣は、毎年いくらお金がはいって、それをどういうふうにつかうかという見つもりを、國会に出して、きめてもらわなければなりません。それを「予算」といいます。また、つかった費用は、あとで計算して、また國会に出して、しらべてもらわなければなりません。これを「決算」といいます。國民から税金をとるには、國会に出して、きめてもらわなければなりません。内閣は、國会と國民にたいして、少なくとも毎年一回、國の財政が、どうなっているかを、知らさなければなりません。このような方法で、國の財政が、國民と國会とで監督されてゆくのです。
また「会計檢査院」という役所があって、國の決算を檢査しています。
あなたは、これを読んで何を感じましたか?
そして、何を思うでしょうか。
自民党草案では
財政の健全性
第八十三条に、2 が新設されました。
今まで国民の人気取り票集めのために国債をバンバン発行していた自民党が何をかいわんやというところです。
今、日本政府の借金は約1,200兆円。国債はいくら発行してもなんら問題ないんだという人もいますが、それがまずいことだと自民党自身も思っているのかもしれません。
ならば、よいことだと思いますか?
自民党草案は、政府を縛るためのものではなく、国民を縛るための憲法です。そして、家族を単位とすることで社会保障費が減らされるだろうこともお伝えしました。
一方で国防軍が規定され、軍事費は膨らむことでしょう。
票集めの国債発行はもう要らない
これまでは、政治家が有権者にペコペコと頭を下げて人気取りをしていました。しかしもう必要ありません。
憲法に規定されているのだから財政の健全性は確保しなければなりません。
さぁ増税しましょう。
増税に反対すれば、憲法違反です。
そのときこそ、インフレーションを起こしましょう。
貨幣価値が100分の1になれば、国債の価値も100分の1です。
国民は苦しむかもしれませんが、国債はあっという間に帳消しになるでしょう。
世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。