ビジネスマナーを説くサイトで見つけた気になる敬語
日本語教師のtamadoca先生がこんな記事をあげていらっしゃいました。
日本語の勉強をするには不適切な日本語教材が多く出回っているとのことです。
あまりにも不自然で、日本人なら書けないような例文が載っているのだそうです。Cf.『日本語教師日記124.』
売り手にしてみたら、どうせ日本語を知らないから、こんなものでも大丈夫だろう、ということでしょうか。
一方、今回の記事は明らかに日本人が書いた文章についてです。
それでは、どうぞお読みください。
日本人が書いただろうに
tamadoca先生の記事を拝読したのは、ちょうど別のサイト上で下記の文章を読んだ後でした。(そのサイトを責めることが目的ではないので、引用元は表示しません)
間違いを見つけられますか?
そのサイトの問題の部分を貼りましたが、間違っている部分が分かりますか?
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答えは、二重敬語として挙げられている3つの例のうち2つが二重敬語ではない、です。
「正しくは」と書き直している「拝見します」「ご覧になりましたか?」「伺います」は執筆者の言う通り、正しい敬語です。
ただし、「拝見させていただく」「伺わせていただきます」は二重敬語ではありませんし、文法上、間違いとは言えません。
例えば、通常は公開されていない貴重な絵画を、所有者の特別な許可のもと見せてもらうことができたとしたら、どうでしょうか。
「ありがたく拝見させていただきます」
と言うのは正しい敬語の使い方です。
「伺わせていただきます」も同様です。
「よくやりがちな二重敬語」としてあげている3つの例のうち、二重敬語は「ご覧になられましたでしょうか」1つだけで、残りの2つは二重敬語ではないのです。
それでは、なぜこのような間違った記事を書いてしまうのでしょうか。
それは、「二重敬語」の意味を知らずに使っているから、だと思われます。
二重敬語とは
二重敬語とは、”1つ”の動詞を2回以上敬語に変換する誤った敬語の使い方です。
既に過去の記事で説明していますので、詳しくはそちらをご覧ください。
今回の例で言うならば、「拝見させていただく」ではなく「ご拝見します」であれば、二重敬語であり、間違いです。
同様に「伺わせていただきます」ではなく「お伺いします」であれば二重敬語ですが、こちらは正しい日本語として許容されています。
それでは、また。
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