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ROAにおいて営業利益ではなく事業利益が用いられる理由

#毎日note #21日目

今日は、なぜROAにおいて営業利益ではなく事業利益を使うのかや、ROE・ROAの違いとメリットデメリットについてです。

企業の決算短信では、利益率に関して以下の三つの指標が出てきます。

ROA(総資本利益率)= 事業利益(EBIT) / 総資本
ROE(自己資本利益率)= 当期純利益 / 自己資本
売上総利益率

このうちROA(総資本利益率)とは、資産を使ってどのくらいの利益を生み出す力がある企業なのかを測る指標になります。(ROEとの違いは、「資産」を分母とするか、「自己資本」を分母とするかです。)

ROA(総資本利益率)の分子に注目してみると、営業利益ではなく事業利益(EBIT)が用いられていることが分かります。事業利益( EBIT)は日本の決算ではあまり出てきませんが、営業利益に営業外収益を加えたものです。具体的には、受取利息や配当金、有価証券売却益等のことです。

事業利益(EBIT) = 営業利益 + 営業外収益(受取利息など)

なぜ、分子に営業利益ではなく事業利益(EBIT)が使われているかという理由は、分母側の総資本に着目してみると分かります。

ROEの分母である自己資本とは異なり、ROAの分子である総資産には、有価証券等の資産が含まれます。財務活動を通じた資産が分母に含まれるならば、同じく財務活動によって得た利息や配当金などの営業外収益も分子に含めた方が、総資産からどのくらいの利益を生み出せたかを正確に測れます。

ここで、ROEとROAの特徴を比べてみましょう。

ROEは自己資本によってどのくらい利益を生み出したかが分かるというメリットがあり、株主にとって重要な指標になります。

一方で、ROAは、借入れによる資金調達(自己資本ではなく負債)も含めた資産によってどのくらい利益を生み出したかが分かるというメリットがあります。銀行など融資する側として重要な指標ですし、企業の稼ぐ総合力みたいなものはこっちに現れる気がします。

楠木さんのファイナンス思考は、PL上の指標(売上や利益)を、目先で最大化しようとする“PL脳"が日本企業に蔓延っていることに警鐘を鳴らしています。
将来に渡る企業価値を最大化するための"ファイナンス思考" がGAFA成功の原動力にもなっていることが具体も合わせて説明されており、非常に勉強になるのでおすすめです。

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