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「最善の解決案」とはどのようなものか。「最善の解決策」を選択できているか。

経営者JPが運営する志高き経営者・経営幹部・次世代リーダーが集う会員制プラットフォームKEIEISHA TERRACEスペシャルコラムドラッカー再論では、ドラッカーは何を見、何を伝えたのか、私たち、実務経営者にとっての「実践的ドラッカー論」について、再考・熟考・使い熟しをしています。


ここまで意思決定における「問題の理解」「問題の分析」「複数の解決案の作成」と見てきた。

「ここにいたってようやく、最善の解決策を選定しようとしてよい。もしここまでの段階において行うべきことを行っているならば、それぞれが異なる結果をもたらす幾つかの解決案を手にしているはずである。」(『現代の経営』、1954年)

そもそも解決案がひとつしかないことは稀だ。実のところ、解決案が一つしか見つからないとしたら、その解決案は先入観に理屈をつけたに過ぎないものと疑うべきだとドラッカーは言う。

複数の解決案から最善の解決策を選定するには、4つの基準がある。

第一に、リスクである。
解決案から得られるものと、冒さなければならないリスクとの比較である。

「行動にはリスクが伴う。行動をとらないことにもリスクが伴う。しかし問題は、得られるものやリスクそのものではない。両者の比である。あらゆる解決案について両者の比を評価しなければならない。」(『現代の経営』)

第二に、経済性である。
解決案のうち最小の努力で最大の成果をもたらすもの、混乱を最小にとどめつつ必要な変化をもたらすものは何か。

「あまりに多くの経営管理者が、象撃ち用の銃を手にして雀を追う。逆に小銃をもって40トンの戦車に対峙する。」(『現代の経営』)

第三に、タイミングである。
緊急を要するのであれば、何か重大事が起こっていることを組織中に知らせるような解決策が必要である。

「逆に長期の継続的な努力を必要とするのであれば、徐々に勢いをつけていくために、ゆっくりスタートする必要がある。」(『現代の経営』)

時には問題解決のための行動が最終的なものであって、直ちに組織全体の視線を新しい目標に向ける必要がある。
またときには、まず最初の一歩を踏み出すべきであって、最終的な目標はしばらく明確にしないでおく必要があることもある。

「ただしこのタイミングについての決定は、体系的に行うことが極めて難しい。分析の能力ではなく知覚の能力が必要とされる。」(『現代の経営』)

この点についても一つの基準があるとドラッカーは述べる。
新しい目標に視点を移し替えることが必要なときには、初めから野心的に大きな視点を与え、計画の全貌と最終目標を示すことだ。
逆に慣行を変えなければならないときには、一歩づつ慎重にゆっくりとスタートし、初めのうちは絶対に必要なこと以外は行っては..

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