CDOに求められるのは諦めない気持ち。何度もていねいにビジョンを説明してみんなの理解を得る。【前編】
経営者JPが運営する志高き経営者・経営幹部・次世代リーダーが集う会員制プラットフォーム「KEIEISHA TERRACE」。「CxOの羅針盤」では、各業界でご活躍中のCxOつまり「最高○○責任者」をお招きし深掘りしています。
群雄割拠するアパレル業界で、「すべてはお客さまのためにある」の社是に象徴されるように徹底したお客さま目線のビジネスを展開し、日本のセレクトショップのリーティングカンパニーに君臨するユナイテッドアローズ。2021年に招かれた藤原氏は、前職のコメ兵でゼロからECビジネスを手がけるなどデジタル戦略を牽引。現在は、CDOとしてユナイテッドアローズのデジタル分野の強化の最前線に立っています。なぜデジタルを担当するようになったのか、ユナイテッドアローズに移って何をやろうとしたのか、お話を伺いました。
(聞き手/井上 和幸)
ゼロからECビジネスを立ち上げる
井上 現在、ユナイテッドアローズのCDOを務める藤原さんですが、学生のときからファッションに興味があったそうですね。
藤原 そうなんです。ファッションの店で5年間アルバイトをしました。実は当社の競合のお店なんですが(笑)。
井上 それはまた奇遇で(笑)。そうすると、就活のときにもファッション関係の企業を見ていたわけですか。
藤原 ファッションというよりも小売りですね。小売りが好きだったので小売業中心に受けていました。でも就職氷河期でなかなか厳しくて。リユース事業のコメ兵に受かったので入社しました。入社後は、宝石の部署に配属されて販売員をしていましたが、店舗に立っていたのは1年半ほど。その後は店舗から離れました。当時は会社が成長していたこともあって、2000年からは出店内装や仕入れなど営業のバックオフィス系の仕事をするようになりました。
井上 そのうちにいまの仕事につながる転機があったとか?
藤原 ちょうどインターネット通販が出始めのころで、コメ兵でも取り組まなければいけないという話になって、「誰か担当してくれないか?」というのでわたしが手を挙げました。入社して2年目ぐらいでしたね。当時は他の仕事と同時進行で進めていた感じでしたが、それが現在のキャリアの第一歩になりました。
井上 自分から手を挙げたということは、デジタルに強かったのですか。
藤原 いえいえ。パソコンも卒論でしか使ったことがありませんでした。それも学校のパソコンで。だから、ECの担当になって慌てて24回払いでパソコンを買いました。確か24万円ぐらいしたと思います(笑)。
井上 それは勇気ある決断ですね。ECはうまくいきましたか。
藤原 そのころのECはいまとは規模感が違って、企業のECも個人のネット通販に毛が生えたようなもの。小規模...
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