#024 給与計算分解②深夜労働手当
1. はじめに
お疲れ様です!なべパパです。
最近は給与計算について情報を整理しています。
前回は、給与計算のうち【時間外残業手当】を整理してきました。
実は「割増賃金」にはもう2つジャンルあります。
そのうち1つが、”深夜労働”です。
深夜労働とは何か?割増賃金はどれくらいか?など、ご存じでしょうか?
そこで今回は、"深夜労働手当"に関する情報について整理していこうと思います。
この記事を読み終わった後には、
深夜労働とは
深夜労働手当
深夜労働に伴う注意点
の概略についてわかるようになります。
それでは、行きましょう!
2. 労働基準法における"深夜労働手当"
まずは、関連法規について押さえておきましょう。
今回はとてもシンプルですね。
では、中身について理解を深めていきましょう。
3. "深夜労働手当"のポイント
3.1 深夜労働・深夜労働時間とは
深夜労働
深夜労働とは、労働基準法により定義された22時から翌5時までの間に行われる労働のことを指します。
深夜労働時間
深夜労働時間の定義を踏まえると、22時から翌5時までの間に行われる労働の時間数のことになります。
3.2 深夜労働手当
深夜労働手当とは、深夜に労働を行った労働者に対して支払われる手当のことを指します。
この手当は、労働者の健康保護と労働条件の公正を確保するために設けられています。
深夜労働手当の計算式
基礎時給
法定時間外残業における基礎時給(1時間あたりの賃金)と同様です。
●時給制の場合
雇用契約書の時給が該当します。
●月給制の場合
(基本給+各種手当)÷1ヶ月あたりの所定労働時間で計算します。
各種手当のうち、個々の事情を踏まえ、労働と直接関係がないような手当については除外して算出することが可能な場合があります。
※除外される手当
・家族手当(従業員全員のような一律給付のようなものを除く)
・通勤手当(従業員全員のような一律給付のようなものを除く)
・住宅手当(従業員全員のような一律給付のようなものを除く)
・状況に応じた臨時的な賃金(従業員全員のような一律給付のようなものを除く)
・1ヶ月以上の期間ごとに支払う賃金(従業員全員のような一律給付のようなものを除く)
割増賃金率
労働基準法では、深夜労働に対する割増賃金率は25%以上に設定するよう定められています。
3.3 深夜労働をさせる際の注意点
深夜労働の制限
・年少者の深夜労働(労働基準法第61条1項より)
満18歳未満の者を深夜に働かせてはいけません。
ただし、交代制の勤務では満16歳以上の男性に限り深夜労働が認められています。
・妊婦の深夜労働
妊娠中の従業員は、深夜労働の拒否権を持っています。
そのため、申請があった場合には、妊娠中の従業員に深夜労働をさせてはいけません。
・育児や介護を行う労働者
家族的責任を有する従業員は、申請によって深夜労働を免除される場合があります。
小学校入学前の子どもがいる、または介護を必要とする家族がおり、本人が請求する場合は深夜に労働させてはいけません。
管理監督者でも深夜労働手当は必要
管理職(管理監督署)は時間外労働に対しての賃金は支払われませんが、深夜労働に対する割増賃金は支払うことが義務づけられています。
健康診断が半年に1回(労働安全衛生法66条により)
事業主は従業員に1年に1回健康診断を受けさせなければいけませんが、深夜労働に従事する従業員には、半年に1回の健康診断を受けさせなければいけません。
(深夜業を含む業務は半年に1回健康診断を受けることが義務づけられている業務は「特定業務従事者」とされております。)
対象になるのは、1週間の所定労働時間が同じ事業場の同種の業務にフルタイムで働く従業員の3/4以上のパートやアルバイトです。
4. まとめ
・深夜労働は労働基準法により定義された22時から翌5時までの間に行われる労働を指し、深夜労働手当は深夜に労働を行った労働者に対して支払われる手当です。
・深夜労働手当の計算式は「深夜労働手当 = 基礎時給 × 割増賃金率 × 深夜労働時間」であり、労働基準法では深夜労働に対する割増賃金率は25%以上に設定するよう定められています。
・深夜労働をさせる際には、年少者や妊婦、育児や介護を行う労働者に対する制限があります。また、管理監督者でも深夜労働手当の支払いが必要であり、深夜労働に従事する従業員には半年に1回の健康診断を受けさせることが義務づけられています。