〝第3子以上の世帯の大学無償化〟がものすごく評判悪いのはナゼ?
とにかく評判悪いんですよ、ホント。
何がって、〝第3子以上の世帯の大学無償化〟ですよ。
こんなに評判悪い無償化の政策って史上初めてなのでは?
期待してるのはトクしそうな人たちだけでごく少数。
世間の評判悪すぎてすぐ変更か棚上げになるかも・・
まずは毎日新聞の世論調査から見てゆきましょう。
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〝少子化対策として〟ってことなので、そこ割り引く必要ありますが。
この反対の多さは致命的ですね。過半数の納税者に反対されてるわけで。
個人的にはまあ、当然の結果だろうと思ってて。
こんな偏った、効果の乏しい政策を考えた人たちに呆れてますよ・・
「少ない予算で何とかアピールできないか」っていう苦し紛れですかね。
すでに毎日新聞が問題点を列挙してまして、どれもごもっともです。
↓
メリットある世帯がごく一部で政策効果も乏しい。
はっきり言って賛成する理由がないんですよね。
記事で専門家は〝効果を疑問視〟ってありますが。
〝効果がほとんどない〟のほうが正しいです。
対象が子育て世帯の1割ていどでは効果激減、
しかも学費無償で出生率ひくい国はザラですからね。
フィンランドとか、オーストリアとかがそうです。
少子化対策でなく他の政策目標もあり得ますが。
有力なのは学費高騰への対策ですね。
・経済的に困っている層を助ける
・教育政策として進学者すべてを対象とする
だったらまだしも分からなくもないですが。
今回はどっちでもないですよね。明らかに。
(ちなみに私は上のどちらでも政策として宜しくないと思います)
学費高騰は確かなんですが、それ元はといえば
経済政策の失敗、低成長、所得低迷からきているわけですから。
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アメリカの学費高騰にくらべたらましですが高騰は高騰。
特に私立は所得増えないのにおかまいなく学費あがってます。
慶應みたいにブランド力あるなら話は別ですが、
大学って教育の質にかかわらず学費は横並びですからね。
あと、あまり知られてないけど日本の大学教育の投資収益率ひくいです。
そもそも投資収益率ひくい大学・学部への奨学金きびしく制限すべきでは。
(貸与奨学金のデフォルトが多い私立大学かなりあります)
学んで卒業しても学費のムダが大きいってことですからね。
さて今回のことにはスポーツ新聞がなかなか良い記事だしてます。
第3子以上の大学無償化は不公平、認定対象も不公平ってことですね。
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自分はまったく恩恵なしってのがほとんどだと、不満ゴウゴウですよね。
しかもちょっとした差で恩恵ゼロとなったら激怒しますよ、そりゃあ。
この無償化制度の構想・設計がそもそもおかしいんですよ。
あと、ホントに公平な大学無償化するんだったら消費税あがるはず。
負担そのままでの大学無償化に期待するほうがリテラシーに問題あるかも。
ところでSFC卒の古市さんがスルドイこと言ってます。
非大卒が大学無償化の費用を負担することになるという批判です。
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古市さんが社会学者かどうかには異論かなりあるそうですが。笑
今回の意見はすばらしい。まさに正論ですね。
ただ、古市さんには言っておきたい。
古市さんたちがかつて幼児教育無償化の旗ふったおかげで
学童保育の待機がパンパンにふくれあがっているんじゃないでしょうか?
幼児教育が終わればつぎは学童が必要ってのは当たりまえのことで。
学童の待機がふくれあがると公費を入れないといけなくなる。
それは回りまわって納税者の負担になるんですよね。
しかも学童を利用しない納税者の負担に、ですよ。
だから古市さんの批判は過去の古市さんへのブーメランになってしまう。
よく考えて提言してほしかったなあ、と。
最後に。少子化対策としてそもそも大学無償化は悪手です。
なにしろ研究者がハッキリみとめてますから。
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しかも、柴田先生もこれホントのこと言ってないですね。
長時間労働改善は財界も医療界も反対して何年かかるかわからない。
先生の研究でも無償化や現金給付はサービス給付に効果が劣りますよね。
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かつてフランスのパリを例示して認定保育ママを推してた柴田先生。
世論を気にして変節してしまったとは思いたくないんですが・・
【結論】
・第3子以上の世帯の大学無償化は少子化対策として効果ほぼない
・第3子以上の世帯の大学無償化は不公平で制度そのものに欠陥あり
・世論調査でも第3子以上の世帯の大学無償化には反対多数
(賛成の2倍以上にも達しており政策として無理ある)
そのうちメディアと国会でつるし上げられて〝失敗政策〟にされるのでは。
EBP(エビデンスにもとづいた政策)とはまるっきり逆だし。
・・・こうしてる間にどんどん出生数は減ってきます。
・・・自治体の改革例とか、なんで参考にしないんでしょうか??
↓ 研究界や霞が関などからご意見ご情報ありましたらコチラまで
https://twitter.com/keidaishouron
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