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恵文社 冬の大古本市|半月舎

年末年始の恒例「恵文社 冬の大古本市」。
古本市に出品されるお店を紹介しています。

今回は滋賀から毎年参加いただいている「半月舎」さんをご紹介します。
彦根に店を構える半月舎さん。地元の方から買取を中心に幅広いジャンルを扱っておられます。

今回事前に選書とコメントをおねがいしたところ、「わたしと和田誠」という長い作文がおくられてきました。
なぜそうなったのかよくわからないところが半月舎さんらしくもあり店主の御子柴さんのお人柄全開。
この文章にたどり着くまでの思索も想像しながらお読みください。


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今年の11月、イラストレーター・装丁家などで知られる和田誠さんの本を何冊か買取させてもらいました。これは恵文社さんの冬の古本市にぴったりなのではと思い、持っていくことにしました。和田さんの仕事は、どれを見ても「和田さんだなあ」と思えるのに、我を張るいやらしさみたいなものはなくて、おしゃれで、知的で、気が利いていて、見ているだけでなんだかうれしくなるものばかりだなあと思います。お好きな方、ぜひ手にとってご覧くださいね。

ところで、今回の買取で「和田誠 装丁の本」(和田さんが装丁を担当された本を集めた一冊)も入ったのでぱらぱら見ていて、ふと気がついたことがありました。それは、そんなに遠くない最近まで、今ではこんなに敬愛する”和田さんらしさ”が、あまり好きじゃなかったということです。少なくとも中学生くらいまでは、どこか遠ざけていたような気がします。今では「なんて絶妙な水色」と思うハイライトのパッケージも、「くすんだ色で、おじさんぽいな」なんて思っていたのです。まったく失礼な話ですが、「なんとなく古い」ように感じていたのだと思います。国語の教科書の挿絵に載っていたような記憶もあり、そういうものへの反発みたいなものもあったのかもしれません。


そんなわたしが和田さんをはっきり好きになったのは、2011年に古本稼業を始めてからです。本についての知識もさほどなく、ぼーっと古本屋を始めましたが、山のような引き取りの本の中から「おや、おもしろそう」「状態はいまいちな本だけど残してみよう」と、なんだかよくわからないけど”いい予感”みたいなものを投げかけてくる本には、よくよく見ると和田さんが装丁した本がたくさんありました。読んでみて好きになった本もいくつかあって、例えば丸谷才一の「樹影譚」がそうです。(今回は手元になかったのでお持ちしていませんが)


思えば80年代後半に生まれたわたしが、60~80年代くらいの和田さんの仕事を見て「なんとなく古い」と感じるのは、90~00年代当時としてはそれなりに普通の感覚だったんだろうと思います。けれども今こうして見ると心からいいなあと感じられるし、時代を超えて愛されるって、まさにこういうもののことを言うんだな、と思います。


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もちろん和田誠さん以外の本も多数お持ちいただきます。
その物量は毎回1、2を争うほど。
どうぞお楽しみに。


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「恵文社 冬の大古本市」
2020年12月29日-2021年1月24日
※会期が延長になりました。

えほんやるすばんばんするかいしゃ
おひさまゆうびん舎
言事堂
古書玉椿
古書柳
待賢ブックセンター
bookstore ナルダ
半月舎
ぽんぽんぽん ホホホ座交野店
マヤルカ古書店
らむだ書店

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恵文社一乗寺店

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