まちづくりDIY空き家再生の仕掛け人「コミュニティ大工」加藤潤さんがすすめる『ゆるさの許容』
朝8時から、「コミュニティ大工」加藤潤さんの空き家診断。
我が家の隣接地、10坪程度の空き家。出発間際まで、30分足らずで、床下かシロアリチェックまで。
「天井も見ましょうか?」
(えっと今日そこまでは。。)答えるまもなく、マイ脚立を車まで取りに行って、忍者のごとく、すすすっと天井にはいあがり、確認完了!
「いけますよ!」の一言で、5月9日から11日まで、コミュニティ大工の「空き家再生DIYワークショップ」が実現!!
そんな加藤さんとは、都農町でも増える一方の空き家再生で画期的な実績をもつ頴娃町を見て、いてもたってもいられなくなり、久しぶりに、「はじめまして」の飛び込みアポをとり、11月に頴娃町を訪問して以来。
11月の訪問記↓
そして、念願のつの未来会議のゲストで都農町に来てもらった次第。
1.DIYを軸に観光から商店街再生へ
住友林業にはいたけれど、DIY好きが興じて入社しただけ。大工をやってたわけではない、と自己紹介。
弟さんが頴娃町で手がけていたタツノオトシゴの養殖ビジネスを手伝うために41歳で埼玉県から移住。
(人のことは言えないけど)なんとも謎な移住。
そこからタツノオトシゴハウスを小さなテーマパークとしてDIY。さらにはハウスがあった番所鼻公園そのものも魅力化して、一躍、観光名所へ!
観光の次に着手したのが、商店街の空き家再生。
自分が住む家も中古で購入してDIYするなど、空き家再生の原体験もあり、観光から、まちづくりへと問題意識が拡がっていきます。
総務省の5年に1回の調査で、日本の空き家は846万戸。13.6%が空き家。
ただし、賃貸・売却・別荘用を除く、いわゆる空き家は318万戸、空き家全体の41.1%をしめます。
空き家のデータは、以前にもnoteで紹介
2.空き家問題のジレンマ
行政と事業者の間に生じるジレンマが、いまの空き家問題だと加藤さんは話します。
3.空き家再生の仕組み化
加藤さんは「空き家再生」を、ハードではなくソフト事業と捉えています。
家賃が安く不動産業は成り立たず、家主は工務店へ発注できないため、加藤さんは、中間にNPO法人が入りサブリースする仕組みを導入しています。
4.ゆるさと許容
加藤さんは空き家をカタチの悪い産直野菜とたとえます。
空き家再生で必要なマインド「ゆるさの許容」
一緒に聞いていた町長も共感。
会の最後には、参加していた役場の人たちにも「できない理由を探すのではなく、ゆるさを許容し、できる方法を考えよう」と力強くハッパをかけていただきました。
5.コミュニティ大工
頴娃町の空き家再生を、どうやったら他の町に展開できるか。
加藤さんが考えた解決策のひとつがコミュニティ大工です。
まちづくりDIY空き家再生のまとめ
①改修というハードのみでなく、改修前と後のソフト面に注力
②不動産・建築の融合、地域・行政との連携を模索
③貸す側・借りる側の意識改革・・・DIY型賃貸
④改修の意識改革・・・施主の選別、DIY・当事者化
⑤他地域展開へ向けてコミュニティ大工の育成
これまでのノウハウを本に↓
ソトコトでも紹介
NPO法人が出資して株式会社を設立
6.空き家は地域課題ではなく地域資源
とにかく面白かった加藤さんの話を聞いて、会場に集まった都農の人たちもがぜん盛り上がります。
加藤さんの話は共感の嵐でしたが、なかでも一番は、空き家を地域課題ではなく地域資源として捉えては?という投げかけ。
資源を活かすも殺すも自分たち次第。当事者になればクレーム起きないよと笑う加藤さんを見てて、自分もよりいっそう、まちづくりの当事者に。
そして空き家を資源としてありがたーく向き合っていこうと思いました。