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「まちづくりホステル」ALAを拠点に地域課題解決を考えるスタディツアー、その先に起こしたいこと
2021年に開業したALAは、地域課題の解決を考えるスタディツアーを実施している宿泊施設です。人口1万人、宮崎県都農町のまちづくり会社イツノマが運営しており、5000㎡の耕作放棄地と2棟の空き家、トレーラーをリノベーションして開業しました。運営会社が、町から廃校活用、商店街再生や小中学校でのキャリア教育を受託しているため、宿泊ゲストにリアルなまちづくり情報やノウハウを共有できることが最大の特徴です。ALAでは、高校や大学、企業向けにリアルな地域課題の解決を考えるスタディーツアーを企画・催行しております。
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1.宿泊施設をつくった理由
ALAは、宮崎県都農町にて、廃校活用や商店街再生などに取り組むまちづくり会社(株式会社イツノマ)が開業した宿泊施設です。5000㎡の耕作放棄地と2軒の空き家、さらに1軒のトレーラーを再生しており、最大20名ほどの方にお泊りいただけます。
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2.まちづくりに不可欠な町外人材
都農神社・都農ワインが魅力的な都農町ですが、国内外からどんどん観光客を呼べるだけの集客力はないのが実情です。特別な観光地でもなく、人口も1万人しかいない小さな町になぜ宿泊施設をつくったのか。それはまちづくりを進めるうえで、町外人材の巻き込みが不可欠だったからです。
どの町においても、町外の巻き込みはまちづくりにとって重要です。長年一緒にやっている内部の人たちだけでは、発想や情報・スキル・ネットワークに限界が来てしまうからです。
そこで、まちづくりや地域の課題解決に興味のある方と一緒に、都農町のまちづくりを進めていくための拠点としてALAを開業しました。もちろん短期的な滞在で解決できるほど簡単な課題ではないです。しかし、町から廃校活用や商店街再生、小中学生のキャリア教育などの業務を受託してまちづくり実務を担っている弊社だからこそ、机上の空論や東京のコピペにならない、実践的な提案をつくれるのではないかと考えています。
改装した2棟の空き家は、1棟がホステル、もう1棟はぼくの自宅兼ワークスペースとなっています。そのため、まちづくりや地域課題に興味をもって都農町に来てくださったゲストは、日中まちをめぐりながらリアルな課題を視察して、夜は宮崎名産の地鶏や都農ワインを囲んで飲み会をしながらざっくばらんに議論。さらには宿に戻ってからも、ぼくやイツノマメンバーと夜通しディスカッションするという流れが鉄板となりつつあります。
3.「地域課題解決」 スタディツアー
こうした需要に特化した、究極のまちづくり・地域課題解決ツアーのことを、私たちは「スタディツアー」と呼んでいます。これまでに京都や東京の高校生、東京大学や立教大学の大学生、そして社会人の方を対象にスタディツアーを実施し、ご好評をいただいております。
京都市立日吉ヶ丘高校
「越境」をテーマとする京都市立日吉ヶ丘高校の生徒さんには、3年連続で都農町にお越しいただいています。2023年度も都農町スタディツアーは実施され、全校生徒700名の中から希望者27名が2泊3日で都農町を訪れました。
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初日のハイライトは都農人との大交流BBQ大会!地元の事業者や移住者の方をゲストとしてお呼びして、総勢50名ほどが宮崎牛や宮崎地鶏を囲んで大盛り上がり。高校生たちは都農町の課題についてヒアリングするだけでなく、将来の夢やキャリアについても議論していました。町に根差して会社を経営する主要プレイヤーを集められるのは、日頃からまちづくりの実務を担っている弊社だからこその強みだと自負しております。
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2日目は、2年前に廃校となってしまった町唯一の高校、都農高校を舞台にワークショップを実施。地域共生社会×廃校活用をテーマに、みっちり7時間議論し、役場の方などにプレゼンを行いました。
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このワークショップの特徴は、日吉ヶ丘高校の高校生に加えて、小中学生と大学生が一緒になって地域課題の解決を考えたことでした。今年発足した「まちづくり部」に所属する中学生をはじめ地元の小中学生が高校生チームに加わり、各チームのファシリテーターは夏休みを利用してイツノマでインターンしている東京の大学生が務めました。
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完全オーダーメイドのツアー
こうしたスタディツアーは毎回内容が異なっています。訪問してくださる方の日程や希望を事前にヒアリングするのはもちろん、弊社が担当するまちづくり実務が進展していくことも大きな理由です。最もホットで、最も解決の必要のある課題を提示することで、都農町の実際のまちづくりと連動するように工夫しております。
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東京の新渡戸文化高校の生徒さんは、商店街の再生をテーマにスタディツアーを実施しました。全長700メートルの商店街を実際に歩いたり、店舗の方にインタビューしたりしながら、空き家や空き地のリノベーションプランを作成しました。
高校生だけでなく、東京大学や立教大学の大学生、そして都市圏の一般企業に勤める社会人の方にもスタディツアーにご参加いただいております。
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町の小中学生との交流
スタディツアーにも参加している都農町の小中学生。日ごろからALAの運営会社イツノマが、本社としている商店街の空き家をリノベーションした「YARD」で週4日(月火木金)16:30から18:00まで、中学生の地域クラブ「まちづくり部」を運営しています。
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これまでも、ALAの宿泊者は滞在中、「まちづくり部」に参加。町内唯一の中学生たちにとっては、日ごろ会うことのない都心の大人やリモートワーカーと話すことで刺激をもらうことができ、宿泊者も他では体験できないこととして喜ばれています。
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商店街イベント「みちくさ市」を共創
「まちづくり部」中学生たちも出店する商店街イベント「みちくさ市」も、ALAの運営会社イツノマが企画しているため、宿泊者が事前準備の段階から一緒に参加することが可能です。
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毎月一回、「花とみどりで商店街を元気にする」をコンセプトにはじまった「みちくさ市」は、来年には常設広場として、町の人たちと一緒に企画・設計を進めています。
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4.スタディツアーの先に起こしたいこと
ALAは、スタディツアーを実施することで地域課題の解決を目指しています。まちづくりや地域課題に関心のある方にとっては、ALAが地域とつながる玄関口となり、実態に即したリアルな課題や地域の主要プレイヤーとの橋渡しを行います。
町内のプレイヤーにとっても、高校生や大学生、社会人と議論する機会は、新たなアイデアを取り入れたり、外部人材の力を活用して事業を推進していくための大きなチャンスとなります。
高校生のスタディツアーで提携している新渡戸文化高校とは、現状4泊5日の滞在としているツアーを、これから1ヶ月、半年、1年と期間を増やし、地域留学に近い形へ、『旅する学校』の発展形を話し合っています。
『越境』や『探究』をコンセプトとする高校にとって、年単位で継続的に地域課題に取り組むことは本質的なプロジェクト学習にもつながります。
受け入れる地域としても、都市部の高校生が年単位で地域にくらしながら一緒に地域課題に向け合っていけば、濃度の濃い関係人口を増やすことにつながります。
ALAは、町外の高校生と、都農町の小中学生、まちづくりプレイヤーがごちゃまぜになってよりより未来をつくっていく拠点を目指していきます。