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「子ども議会」で終わらせない!自分のまちは自分でつくるを目指す総合学習「つの学」

2月17日(月)、都農町内3小学校の6年生18名が都農町議場で、町長や役場課長にゼロカーボン施策を提言しました。

ぼくらが小学校で各校年間15時間実践している総合学習「つの学」。
10時間はゼロカーボンをテーマに、いろいろな角度からみんなで考え、話し合いながら施策を8件つくりました。

1.経緯

2021年度より、都農町ではゼロカーボンの目安となる2050年に町の当事者であり主役となるいまの小学生が、自分ごととして施策を考え、年度末に議会で提言をしています。

過去3年間は、各校からの選抜メンバーが集まり、放課後にぼくらのオフィスに集まり、議論をして施策をつくってきました。

今年度からは対象者を拡大、6年生全員に!
かつ放課後ではなく、正規の授業時間(総合学習)に施策をつくることに進化しました。

2.ゼロカーボンを知る

最初の授業では、今年度、発生した「竜巻」「線状降水帯による冠水」を振り返りました。

比較的、災害に強いとされる都農町では滅多にない「竜巻」「冠水」。
小学生にとっても記憶にあたらしく、初回から自分ごととして具体的なイメージを持てました。

2050年までに二酸化炭素排出量をゼロにする目標を共有

これから10時間かけて、自分で自分のまちを守るために、二酸化炭素排出量の削減につながる施策を考えていきます。

ぼくらが一番大事にしたいことは、「子ども扱いしない」

2050年のゼロカーボンは、いまいる大人たちも未知のこと。
なので、

大人も子どももなく、
フラットに話し合い、
一緒に考えるスタンス

を徹底したいんです。

具体的な実例として、バリ島の小学生ワイゼン姉妹バリ島からレジ袋をなくしたプロセスも共有。

ワイゼン姉妹と同年代の都農町の子どもたちだって、真剣に考えて提言、大人たちにも共感得て、拡散していけば、町の施策として実現する可能性はおおいにあると強調しました。

3.五感で学ぶ

ゼロカーボン、二酸化炭素削減と聞くと、まじめでむずかしいイメージ。

最初は、ぼくらの私物を持ち込みながら、二酸化炭素削減につながっているスニーカーやバック、ストローなど身近なものを見て触り、あるいは嗅いでもらったりもしました。

二酸化炭素削減をよりおおくの人に実践してもらうためには「カッコよさ」「オシャレさ」など、みんなが欲しくなる商品企画も有効だよねと共有。

4.まず手を動かして考える

まずは、あれこれ考える前に手を動かす。
二酸化炭素削減のアイデアを自由な発想でどんどんカタチにしていくために、小学生も大好きなレゴブロックを使いました。

ちなみにレゴの語源はデンマーク語
Le  よく
Got  遊ぶ・いじってみる・実験してみる

こちらが想像つかないようなアイデアも多数。
お互いの作品を見ながら、共通項を探りました。

5.施策をつくる

レゴでつくったアイデアをベースに、実際に町に提言する施策をつくりはじめます。

自分たちで考えるだけでは発想が広がらないので、タブレットを活用して、世の中の事例をたくさん調べながら、都農町ならではの施策をつくります。

施策のフォーマットは共通にしました。

レゴで出したアイデアをベースに具体的なアイデアを3つ
具体的な進め方を3つの視点から整理
①自分たちでできること
②自分たち+大人でできること
③町でしてもらいたいこと

ここで意識したのは、

なんでもかんでも町や他者に要望するのではなく、
まず自分でできることを考え、
まわりの大人たちの協力を得てやってみて、
最後に届かないことを町への要望として提案する


6.準備とリハーサル

3校でつくった16個の施策を、8つに絞りこみました。

議会での発表者は3校から合計18名。
決め方は担任の先生にお任せしました。
面白かったのは、各校で発表者の決め方が違ってたことです。

立候補もあれば、投票をしたところもあり、話し合いで決めた小学校も

教室を議場に見立てて、リハーサルも念入りに。
今日だけ小学生町長と小学生課長。
一般質問から答弁まで、本番と同じ流れと時間で。

2回目のリハーサルでは、ほぼ完璧な出来栄え!
発表者以外は教室のモニターでライブ中継を見ながら応援です。

7.議会で提言

いよいよ当日、マイクロバスで町役場に到着した小学生。
3階にある議場へ初進出!

1人目が握り拳で元気よく「議長!」
リハーサル以上の発声!

保護者や議員さん、校長先生、マスコミで傍聴席は満席!

小学生の質問に対して、町長をはじめ、産業振興課長、住民課長、企画課長が本格的に答弁を。

町役場からの答弁を受けて、小学生より具体的な提案にうつります。

「東小校区には公園がありません!」
切実な願いからか、ひときわ大きな声で心のこもった提言。

子どもだけでなく、高齢者も楽しめる工夫を。

飛騨市の事例を見つけました!

模造紙には、公園の構想図。かなり詳細にわたりイメージできてました!

大人の議員さんも、こんなに楽しそうな表情で、元気よく挙手するといいなぁと思えました 笑。

自分たちが日ごろから知っている近所の飲食店にコンポストを設置する提言

誰がどの店に行くか、シフト表も決めてました!

合計8組、1時間半にわたる提言が終わり、町長・副町長と記念撮影

せっかくの機会だからと、町長直々に、町長室を案内頂きました。
小学生と町長、役場のみなさんとの距離も一気に縮まります。

当日の様子は、宮崎日日新聞で掲載。
今後、テレビや東京のWEBメディアでも紹介される予定です。


6年生全員が授業で、ゼロカーボンをテーマに、自分たちなりのアイデアをゼロから考え、企画にまとめ、みんなで代表案と代表者を決めて議会提言。

今日は最終の授業で、議会当日の様子をみんなで振り返り、1年間のつの学を終えました。

「楽しかった」「貴重な体験ができた」の先、自分たちの提案が実現した!を目指して、来年もまたゼロから、新6年生と都農町の未来のまちづくりを考えていきます。

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