ポジティブであり続けるための振り返り術、『週記』
「地方のまちづくりで一番必要なことは?」と問われたら、「ポジティブであり続けること」と即答します。
「ポジティブ」とは、生まれつき明るい、能天気とかのキャラ語ではなく、「ネガティブ」な状況で活路を見出せるコンピテンシー(成果をうみだす行動特性)ととらえてます。
そもそも、地方の小さな町でまちづくりが必要になるのは、環境や状況がネガティブだからです。なので、まちづくりの仕事って、ほぼうまくいかなかったり、動かなかったり、横槍が入ったりするものと腹をくくってます。
僕自身の仕事を振り返っても、原則、ネガティブなことのほうが多いです。今週はことさら多かった(苦笑)
では、どうやってポジティブであり続けようともがくのか?個人的に実践してる習慣『週記』をご紹介します。
1. 毎週つける日記、「週記」
どんなにネガティブなことが起きても、冷静に振り返って、原因を分析していけば活路はあるものです。
ただし、この「冷静に振り返って」が難しい。
どうしても感情が入るし、やる気そのものがなくなるので忘れたい!
日常忙しいと、ついつい目先のこと、明日やるべきことに奔走しがち。結局、振り返りは年末に一括して、になったり。。年明け、書き初めとか所信表明して終わりになりがち、セレモニーとしてはいいけど実務におちない。
その日起きたことを、その日のうちに書きためてく、いわゆる日記をつけることが理想です。
でも、時間は有限ですし、自分の場合は、毎日同じことを続けるのは不得手なので、日記は数回試して典型的な三日坊主で断念。
無策のままネガティブなことが起きると、蓋をするようになったり、二度と起きないよう念ずるぐらいしか対処法がなくなってくる。最後は逃げちゃいがち。
ということで、たどり着いたのが、毎週末に、その1週間に起きたことを1日ごとに書いていくという「週記」でした。(僕の場合「ほぼ日手帳」に)
2. 少し間をあけると冷静に振り返られる
「週記」のいいところは、平日と週末で少し間があいているので、冷静に振り返られることです。
僕の場合は、スケジュールをGoogleカレンダーと手帳とアナデジ二刀流なので、2つをみながら「うまくいったこと」「いかなかったこと」を思いつくままに書いてます。
ネガティブな日は、「ああしときゃよかった」「これ言わなきゃよかった」、みたいな未練たらしいフレーズのオンパレードもありますが、後から振り返る時には生々しい言葉のほうが笑えて楽しいです。
こうして書いているうちに、不思議と客観的になってきて(感情がうすらぐかんじ?)、ネガティブな感情がなくなって対策脳になってきます。
書いてるうちに、「今後こうしていったほうがいい」「こういう場合は気をつけよう」とか、解決策を習慣的に考えるようになりました。この繰り返しが僕なりのポジティブ・シンキングにつながってます。
3. 客観的に評価する癖をつける
「週記」では毎日の評価をすることも習慣化しています。毎日の内容を書いた上で、マイ基準で「S・A・B・C・D」の5段階評価をしています。
1週間を振り返るとき、「Sが2回もあった!」と喜んでみたり、「SもあるけどDもあって激動だったなぁ」とか、指標が加わると客観的に見れて楽しくなってきます。
毎日の5段階評価を月間にして、評価することで、年間での月ごとの好不調の波も可視化されます。
自分なりの一定の基準で評価し続けると、今日は最悪だったと思ってたことでも、去年のこれと比べるとたいしたことないな、あれでCだったんだから、今日のはBだなとか、だんだん、たいしたことなくなってきます。
逆に、今日はよかったとうかれてSをつけようとしても、以前のSと比較して、いやいやまだAだなとかひきしめてみたり。
SとDのレンジが広がれば広がるほど、ポジティブになれるのではないかと分析しています。成功も失敗も、ポジティブ・シンキングのためには貴重な経験。
4. 継続は凡人でもできる最大の強み
この「週記」、20年近く毎週欠かさず続けています。続けると何がいいかというと時系列比較ができること。
ふとしたときに、去年の今頃どうだったとか、モチベーション下がり気味の時には、民事再生当時のことを読み返してみて、まだまだたいしたことないなとか振り返れます。
「強みが大事」、とは自他ともによく使う言葉だし真実だと思ってます。ただし、明確な強みを持っている人なんて一握り。ほとんどが、僕を含めて平凡な力しかないなかで、どうやって強みをつくるかというと僕なりに方法は2つ。
1つは、小さな強みを重ね合わせて、「強みセット」をつくること。
そして、もう1つが、「継続すること」です。それも気持ち悪いぐらい続けるレベル。今回、ご紹介した「週記」も、1年、5年、続けたぐらいではあまり強みにならないと思いますが、20年続けていると、結構、自分の中では絶対的な強みになると実感してます。
人口減少・高齢化・若者流出、、ネガティブなことしかない地方の小さな町でのまちづくり。だからこそ、ポジティブに物事をとらえて、考えて、アクションを起こし続けることに価値があります。
そのためには、振り返りを習慣化させて、ネガティブな状況を客観視し、活路を見出す、そんなプロセスを面白がれるようになりたいものです。
僕が都農町の若い人たちに、伝えていきたいことの1つです。