分割キーボードを体験したくて、Corne V4 Keyboardを組み立ててみたら、肩の開きが30°くらい広がった気がする
みなさま、タイピングライフいかがお過ごしでしょうか?
わたしはこの前の連休に分割キーボードデビューしてみました。
前半は背景やキーボードの選定を書いていますので、買ったものや組み立て方を見てみたい方は後半からお読みください。
分割キーボードの印象
以前から分割キーボードの存在は知っていて、前職の同僚が会社に持ってきて使っているのを目にしていました。が、その時は分かれているキーボードを持つのってかさばらないかとか、分かれている分一体化に比べて値段も高そうという印象しか持ち合わせていませんでした。
そんなノートPC備え付けのキーボードでいいじゃんのミニマル派考えを動かしたのが、理想の書斎づくりさんの動画でした。
動画では、Keyball 39を紹介していて、黒基調のシックでかっこいいキーボードに気持ちが揺さぶられました。
分割キーボード界隈で有名な遊舎工房さんで取り扱っていますが、販売されている見た目からキーボードのケースからキーキャップにトラックボールとカスタマイズしていて、おしゃな印象的でした。
また、動画では一体化キーボードに比べて分割は左右に広く配置することができるため、肩こり軽減、姿勢が良くなるといった温泉みたいな効能も取り上げられていて、分割キーボードに興味を持つようになりました。
ちなみに、同じくKeyball 39を組み立てたmonographさんという方もいて、こちらはキーボードのカバーケースを自作し、そのカバーケースで分割キーボードを立たせるテンティングもできるようにしています。理想の書斎づくりさんも外付けで三脚を取り付け、テンティングできるようカスタマイズしています。
分割キーボードを作る壁
さてそんなわたしが分割キーボードに興味を持ち始めたものの、気になってなかなか動けずにいた理由に以下の2点があります。
はんだ付け
費用感
たいていの分割キーボードは、組み立てる際に基板にダイオード等取り付ける関係ではんだ付けが必要です。はんだ付けはこれまでやったことがなく、分割キーボードに必要なパーツに加えて、はんだ系の準備をしなきゃいけないところに億劫さを感じました。また、はんだを使った組み立てに時間をかけそう、失敗した時のリカバリなども気になってハードル高く感じていました。
これまで分割キーボードを作ったことのある人たちからは、生ぬるいと思われても仕方のない精神性です。
もうひとつの懸念点は費用でした。はんだにも関連しますが、分割キーボードは基板や最低限のパーツで販売されていて、キーの打鍵感を構成するキースイッチや指で打つ接地面を覆うキーキャップ、左右のキーボードを繋げるケーブルも追加で購入する必要があります。また、作る対象によってはトラックボールやキーボードケースなど色や形にこだわっては際限がありません。ものによっては、トータルで8,9万くらいかかったという猛者を動画かブログで見たことがあります。
はんだ付けのハードルについては、遊舎工房さんでキーボード組み立てサービスを行なっているので、こちらを利用しても良いかもしれません。
対応可能なキーボードの制約はありますが、お店側でやってくれるのは大変ありがたいです。
費用面は、カスタマイズできる分割キーボードの性質上やむを得ないところがあります。この辺りはもしかしたら組み立てされ製品化された分割キーボードを買うのもひとつかもしれません。
以下サイトで幾つか製品タイプのキーボードが紹介されています。
製品版の分割キーボードは、見た目大きめの印象でした。
動画で紹介されていたKeyball 39を作ってみようと思ったものの、最初ははんだ付け不要の極力コンパクトなサイズ、形状が欲しかったわがままなわたしでした。
Corne V4 Keyboardを選んだ理由
そんなわがままベイベーがこれは良さそうと思ったのが、Corne V4 Keyboardでした。Youtubeで紹介されていて知ったのですが、V3ははんだが必要だったのに対して、V4はすでに基板の組み立てができていて、あとは必要なキースイッチ、キーキャップ、ケーブルを揃えるだけで良さそうです。
それと、本体のお値段も2万円を切っていることも良かったです。決して安くはないですが、Keyballは2万円台でそれ以上するキーボードもあります。
そして、キーボードケースも備え付けであり、最低限のパーツだけで一定度の見た目も確保できそうなのが決め手でした。
なお、Corne V4には、ChocolateとCherryの2つがあります。違いとしては取り付けられるキースイッチの種類が違うようです。
わたしはキースイッチのことをあまり気にせず(本当はちゃんと事前調査すべきところで、店舗で買わなかったら間違えてしまうところでした: 後述)、商品画像や遊舎工房さん店舗に飾っている現物から、キーキャップがフラットで良さげという安易な理由で、Corne V4 Chocolateに決めました。
遊舎工房さんでは少し前まで完売状態でしたが、予約販売に切り替わったため早速購入手続きをして、先月届きました!
Corne V4 Keyboardのパーツ購入
本体が届いたので、次はキーボード作りに必要なパーツの調達です。
結果的に以下のパーツを遊舎工房さん店舗で購入しました。
Kailhロープロファイルスイッチ - Red Pro … 46pcs (46個)
MBK Legend‡ Glow R2 black … 1セット
TRRSメタルケーブル 0.8m … 1本
分割キーボードをPCにつなげるType-Cケーブルも必要ですが、そちらはMac製品に付属しているもので良さそうだったので今回購入しませんでした。
大体これらのパーツで合計1万3千円近くしました。
MBK Legendはキーキャップ、Kailhはキーキャップと本体基板をつなげるキースイッチです。TRRSは左右のキーボードを繋げるのに使います。
これらは、Corne V4 Chocolateの「別途ご用意が必要なもの」にあるリストを参考に購入しました。
なお、前述したようにCorne V4 Chocolateは、Kailh ChocのV1あるいはV2のキースイッチに対応しています。
V1の形状はコンセントのような2口穴になっていて、V2は丸型の突起になっています。これは対応しているキーキャップも異なるため、気になった場合は店員さんに聞いてみると良いでしょう。
わたしは最初、Kailh Choc V1のキースイッチと別のキーキャップを買うつもりでしたが、不安になって店員さんにこれで良さそうか聞いてみたら、そのキーキャップがChoc V1に対応していないことがわかりました。
本来なら調べてわかるところだったのですが調査もせずにいたので、危うくまた買い足すところでした。これから分割キーボード活動をしていこうとする皆様はこうならないことを願っています。
なお、キースイッチどれにしようか迷っている場合、遊舎工房さん店舗にはキースイッチ一式が並べられ、ポチポチと打鍵感を体感できるコーナーが設置されています。
わたしはお店でKailh Choc V1キースイッチねと探したら色違いがいくつもあって、どれにしようかと考えてたらそのキースイッチコーナーを見つけて触ってみました。すると打ち心地も違っていて、そこからこれが個人的に良さげだなとRed Proを選びました。
Corne V4 Keyboardの組み立て方
実は、Corne V4 Keyboardの組み立て手順は、GitHubで公開されています。
購入した本体の取扱説明書にもURLが記載されています。
図解で説明されていてみやすくなっていますが、手順間の進め方でイメージしづらい場合は、遊舎工房さんがYoutube動画を公開しているので、こちらも併せてみておくと良いでしょう。
プラモデルのようにパチパチとキースイッチを基板とマウントプレートにはめていき、スペーサーとネジをケースに固定します。
おっかなびっくりで進めましたが、1時間近くで出来上がりました。
ちょっと手間取ったポイントは以下のところです。
基板をフレームから外す工程 … 基板の板が少し厚めで、外しにくくなっているため、割れないかと少しヒヤヒヤしました
基板、マウントプレートにキースイッチをはめる … キースイッチに端子が数箇所あって、はめる時ちょっと固い具合で曲がってしまわないかと不安でした
ケースとスペーサー、ネジを固定する工程 … ケースの底面からネジで締めるのですが、反対側で指でスペーサーを押さえつけるようにするとスムーズに固定できました
買ったキーキャップは表面に字がプリントされていて、なるべく市販のキーボードのキーマップに合わせてキャップをつけていきました。
完成したら、分割キーボードとPCをType-Cケーブルで繋げてみましょう。
Macの場合、接続許可のダイアログが表示されるのでAllow(許可)を押したら使えるようになります。
その後、キーマッピングの設定が必要になるので、Remapを使ってください。ブラウザ上で、使っているキーボードを検知してキーの割り当てができるようになっています。
ちなみに、キービジュアル画像ではCorne V4 Chocolateがゲーミング風に光っていますが、こちらは通電するとこういう見た目になるようです。
最後に
使ってみて、普段使っているキーボードとのキー配置に戸惑うところは所々あります。
けれども、これまでキーボードに対して腕と手の向きが「八」の字になっていたのが、分割キーボードは左右の距離を調整できるため「逆八」の字の形になりました。少し肩が正面に向かって開いた姿勢でタイピングできるようになったのは新感覚です。
費用ですが、本体とパーツ類含めて計3万円近くかかりました。キーキャップはもう少し無印とか選んだらコスト抑えられたと思いますし、キースイッチも打ち心地をこだわるともう少しかかっただろうと思います。そこの組み立て・カスタマイズ性ふくめ市販のキーボードをもう一つ買うくらいの気持ちで臨むと良いでしょう。
使ってみて少し気になったのが、Choc V1キースイッチのキャップ差し込み口かキーキャップの差し込みの出っ張り部が浅いからか、打ってるとたまにキーキャップが外れかけるところでした。接着も頭をよぎりましたが、今後のキースイッチの取り替えやメンテナンスに支障が出そうなのでそれはせず、外れかけたときはキャップを付け直すようにしています。
もしこれから分割キーボードを導入していこうと考えている方に参考になったらと思います。それでは、健やかなハッピータイピングライフをお過ごしください。