短歌友の会「彩歌」秋号

職業に「無色」の二字があらわれてこの変換はやさしさだろう
梅の実の熟れる香りに酔いながら燕は夕を低く飛びゆく
ガラス窓へだて真夏のこちらがわ活字のうちを我はたゆたう
鳥として生まれたかった蝙蝠のようにふらりと歩く夕暮れ
一夜ごと既読に変わるものがたり砂漠の風はやむ気配する

坂井修一 選(今号の十人、三席)

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