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不思議な「夢」を見た話
今年の夏。
酷暑が何日続いたとか
記録更新するかもと、
世間が騒いでいた頃。
私はコロナに罹っていました。
療養3日目。
高熱からようやく解放の兆し。
次は噂の喉の痛みってやつがやってきました。
いつになったら動けるのか…
そんな、うなされながら寝ていた時
不思議な夢を見た時のお話。
「もうひとりの自分」
高熱にうなされ
ベッドで横たわって寝ていると
突然ふわりと体から自分が抜け出して
ベッドに寝ている自分を見ていました。
家族にはそれが見えていたようで、
すごーい!
どうやったの?と聞かれても
わらからないとしか答えられませんでした。
元に戻ろうとして、
横たわって寝ている自分に寄り添うと
すうっと吸い込まれる感覚。
あぁ、ひとつにもどれるぅーっと
思った瞬間、失敗。
なんだろうなぁ。
私は、仕方なく外へ出て
散歩に行くことにしました。
体から抜け出た自分は
ふわふわと、ではなく
しっかりと自分の足で歩いていました。
そこで出会った笑顔の素敵な元気な女性。
少し小柄で、髪の毛は肩より少し短いくらい。
吸い込まれそうなその瞳は特徴的で
ひと目見たらどこにいても彼女だと気付くような不思議な感覚になった。
彼女は私の
「もう一人の自分」だと
名乗りました。
実はもともとひとつだった
魂の片割れなんだと。
そんなアニメ映画みたいなことある??
私は笑って彼女にそう言いました。
彼女は不機嫌そうな顔をして
いいもん!っとそっぽを向いてしまう。
でも何か懐かしい感じがして、
ちょっとだけ信じてもいいかなって思った。
不思議な白い花
彼女の案内で小さな町のいろいろなところを見て回った。
そんなどこかからの帰り道。
自転車で家の前の路地の十字路に止まると
垣根の上から垂れ下がった
小指くらいの大きさの
かわいらしい花を手にとって、
ほら見て!
と見せてきた。
彼女は得意気に髪飾りのようにしてその花を頭につけてみせた。
かわいいね、と私が言うと
そりゃかわいいよ!
だって元は同じ人だったんだもん!
と意味不明な論調を語る彼女に私は思わず笑ってしまった。
すると彼女は更に高い木の上の方にある青い果実を見つけて、
あれ見たことある!
と言う。
そうなんだ、と僕が言うのと同時くらいに私の隣から何かが飛び立った。
きれいな青い鳥。
彼女は、青い鳥になって空高く飛び
その青い果実を美味しそうに食べていた。
美味しいよ!一緒に食べよう!
食べようにも、あまりにも高くてたどりつけそうもない。
そんなことを思っているうちに、
木の枝をすり抜けるように
きれいな青い鳥は見えなくなってしまう。
私はあの実が何の実なんだろうと気になって家に戻った。
家に植物の本があったのを思い出したからだ。
家の扉を開ける。
すると、その瞬間
ベッドに横たわって寝ている「私」に再び吸い寄せられる。
抵抗することはできなかった。
………………………………………………
目を覚ますと青い鳥の彼女も
青い果実をつけた木もなかった。
目の前に見える立ち枯れた老木だけは窓の外に見えた。
それでも私はその木の事が気になって
土地の人に聞いて回ったけど
誰もその木のことは知らなかった。
かなり昔からある、と。
それだけはわかった。
まぁ、そうか。
不思議な体験をしたけれど現実との壁ってあるものだなと、
そう思った時、夢から覚めた。
いつもの部屋。
コロナの熱でだるく、重くなった体。
現実がそこにあった。
どこかにいる「あなた」へ
その夢は
五感がはっきりしていて
とても夢とは思えないくらいだった。
しかも鮮明に覚えている。
本当にこの世界のどこかにもう一人の自分がいるのだとしたら
今は何をしているのだろう。
元気に今日も笑ってるのだろうか。
そんなことを考えたコロナの床に伏していた朝の出来事でした。
ちなみに、タイトルの画像に使った写真。
![](https://assets.st-note.com/img/1696950920828-zUlDG3r49i.jpg?width=1200)
夢の中に出てきた、彼女が手にした白い花。
絵を描くのがすごく苦手な私は
なぜか切り絵だけはできて。
下書き無しのフリーハンドですぅーっと
切ったもの。
少し高い石垣の上から垂れ下がっていて
茎は細くて緑で少しひょろっと長い。
その先に、小指くらいの小さな花が咲いていて
それが垣根の上からたくさんぶら下がっている。
こんなお花を知ってる方がもしいらっしゃったら
ご一報いただけると嬉しいです。
もしかしたら…
もうひとりの「自分」と
あの青い果実をつけた大きな木に
辿り着けるかも、しれないので笑
おしまい。