音のない部屋
雨。
朝、目の違和感で目が覚める。久しぶりにめばちこが出来ていた。
昨日は両足に不明の痣がたくさんできていた。矯正治療のため口内は切り傷だらけで惨状だ。心身に、蚊に刺された程度の不調が続いている。
「こればかりは仕方がない」という言葉を目にすることすらもう嫌になる。その言葉を発している人には何の罪もない。
悲しい言葉を見すぎてめばちこができたのかもしれない。
そんな一言で割り切れるような気持ちで物事に取り組んでいる人は私の周りにはもういない。それでも、騒いだって何ともならないことくらいよくわかっている。本当に仕方がないのだから、何とか自分の中で折り合いをつけるべくそう言うことしかもうできないでいる。辛いのはみな一緒・みな同じ。そうしてひとまとめにされたやりどころのない気持ち。
宙ぶらりんになった身体でよくわからない休日を過ごしていると何もかもから遮断された気持ちになる。私は普段から外で働いてもいないし人形を作ったこともない。
栄養のあるものを食べなければ、と思う。色の濃い野菜とかビタミンが豊富な果物とかアルコール度数の強いお酒とか。
肌寒い埃色の空気が充満する部屋で空を見つめる人形と過ごしている、ただそれだけの静かな雨の日。
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