少女漫画と男性漫画家。
殿方だって少女漫画したい!🥰
「ベルばら」とかは男性にも馴染みがあるようですが、他も含め男性の漫画家さんと少女漫画との関連ツリーについて、思いつくまま列記してみたいと思います。
○魔夜峰央先生(「パタリロ!」)
まずはやはり「ベルばら」です。パタリロがオスカルコスをしたり、そのまんまのパロディ『ベルサイユのヒマワリ』なるエピソードもあります。
(ちなみにオスカルのビジュアルモデルはビョルン・アンドレセンとのことですが、
「ベルばら」経由か「ベニスに死す」からの直接イマジネーションかはわかりませんが、初期にはビョルン&アンドレセンなる双子の美少年がバンコランの恋人として登場します。)
「パタリロ!」には更に竹宮惠子先生(「地球へ…」)及び萩尾望都先生(「トーマの心臓」「11月のギムナジウム」「ポーの一族」)という、24年組巨匠の作品名やそのパロディが登場します。”巻毛がかわいいバンパネラねずみ“や”クックロビン音頭”という初期のキモとなるギャグはどちらも「ポーの一族」が元ネタですね。
更には『ガラスのパタリロ仮面』なるコラボエピソードもあります。扉絵などは合作としか思えない絵柄ですが、美内すずえ先生の正式キャプションはありません。
(「ガラかめ」は実は和田慎二先生の「スケバン刑事」と、こちらは本当の合作を行っております。)
(余談ですがこちらは女性作家・柴田亜美先生の「南国少年パプワくん」、なんとなく鳥山明先生的バトル漫画テイストの「パタリロ」みたい…と思っていたら、「木の股から生まれてくる」なるそのまんまなギャグが出てきて吹いちゃいました。パプワ=パタリロ シンタロー=バンコラン コタロー=マライヒってことで、…うわぁ~)
○車田正美先生(「リングにかけろ」「聖闘士星矢」)
こちらも「リングにかけろ」のフランス代表ナポレオン兄弟というのが、まんまオスカル様と評判でした。(どちらかというと苦笑されてたかも…しかもファミリーネームがバロアて…そりゃ首飾り事件の犯人たる大悪女ジャンヌ姐さんの名字だ)
(やや余談ですが「聖闘士星矢」の方はアニメ化に際し作画チーフに「ベルばら」と同じく荒木伸吾氏を起用し、原作の絵柄にそれほどこだわらないシャープな美形キャラっぷりがむしろ好評で、特に”白銀聖闘士・蜥座のミスティ”がこれまたオスカル似と言われてました。それと…こちらに登場する”冥闘士・地妖星アルラウネのクイーン”なるキャラが、妙に細いラインで実は女性?ともいわれてましたが、「ベルばら」池田理代子先生のもう一つの大作「オルフェウスの窓」にアルラウネという妖艶な美女が出てくるので、まさか彼女へのオマージュじゃ…)
○江口寿史先生(「すすめ!パイレーツ」)
こちらもまず先の24年組竹宮惠子先生&萩尾望都先生両巨匠のお名前や作品名が出てきます。「風と木の詩」のパロやら(少年誌で…ひええ)”梶野望都“なるキャラまで!
もう一つ、当時の少女漫画の、巨匠系とは別の流れとして「りぼん」誌のおとめちっく青春路線というのがあげられますが、その中で太刀掛秀子先生(「花ぶらんこゆれて…」)が作中に名前が上がっていました。この時期の江口先生の現在のスタイリッシュ路線とはかなり違う、ロリと少女漫画の中間的な女性キャラの絵柄は、おそらくそちらの影響でしょう。
○たがみよしひさ先生(「精霊紀行」「軽井沢シンドローム」)&新沢基栄先生(「3年奇面組」「ハイスクール!奇面組」)
こちらは先の「りぼん」路線の中でも特に田渕由美子先生の影響が強いと思われます。(たがみ先生については推測ですが、新沢先生の方は自身で裏話として語っております。)両名とも特に初期の絵柄がそっくりですね。
余談ですがこの2先生にホラー漫画の巨匠・高橋葉介先生(そういえば「学校怪談」の主人公山岸涼一くんのネーミングの元ネタはやっぱり、少女漫画界のこちらもホラーの巨匠・山岸凉子先生でしょう…)を加えたお3方は、ミュージックアーティスト中島みゆき氏の熱心なファンでもあります。「軽シン」のサブタイは多くがその曲名で、「奇面組」には”雪中路まみ”なるキャラが登場し、高橋葉介先生「学校怪談」では”臨海学校のバスでマイクを離さず中島みゆきばっかり歌う女教師”とか…全くの内輪話ですが、ワタシの身内にそういうのがいるんだなあ…。