outside called "inside"
僕は二羽の鳥を飼っていた。片方は鮮やかな赤色で、もう一方は澄んだ青色。
僕は赤色の方に「タイヨウ」、青色の方に「ソラ」と名付けた。
とても可愛くて、行儀がよくて、素直だった。
僕は二羽の鳥を小さな鳥かごの中で飼った。
ある日、鮮やかな赤色の「タイヨウ」が脱走した。
「ソラ」は悲しそうだった。僕は「ソラ」を以前よりも慎重に飼育した。
さらに数日たって、今度は「ソラ」が脱走した。
「ソラ」は僕の目の前を通って、窓から大空へと羽ばたいたのだ。
その日は雲一つない快晴だった。
僕は窓から透き通った空と、燦燦と輝く太陽を見上げた。
その時、僕はようやくこっちが外なのだと気がついた。
僕は天体観測が好きだった。
誕生日には双眼鏡を買ってもらって、それを持って夜中にこっそり星空を眺めるのが、何よりも楽しかった。
地球の外側がこんなに広いなんて。
勿論、お母さんには内緒。
お父さんはこっそり応援してくれた。
ある日、僕は例のごとく、双眼鏡を片手に、こっそり夜中に自分の部屋を出た。
ベランダに出る途中、お母さんに見つかってしまった。
僕は無我夢中で逃げた。
家を出て、
暗い夜道を、
双眼鏡を握りしめながら、
必死に走った。
ふと、立ち止まって息を整える。
お気に入りの双眼鏡で空を見上げた。
しかし、そこには星一つ見えなかった。
曇天だったのだ。
その時、僕はようやくこっちが外なのだと気づいた。
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