小説の未来 (11/6)

 前回、本業界、特に小説の衰退が著しいこと、そしてその原因についていくつか例を挙げて紹介した。今日は、そんな衰退の一途をたどる本業界の未来を予想しようと思う。
 

電子化

 まず、もう既にそれなりに普及しているものではあるが、電子書籍が紙の本に取って代わることになるのは確実だろう。現代では、「ながら作業」が圧倒的価値を占めているし、ながら作業でできるコンテンツが人気なのだ。少し穿った言い方をすると、現代人がそれほど暇を恐れ、時間の効率化に盲目的になっているということである。結局、スマホ等の媒体で見れる形態に落ち着くのである。
 さらに言うと、今は電子書籍といえば、kindleなどのアプリからしか電子書籍は読むことしかできないが(他にもあるかもしれないが、僕は知らない)、将来的には今のYouTubeのように、フリーに投稿でき普及率の高い書籍投稿サイトがあって、作家自身もそこに投稿するようになるかもしれない。noteがその立ち位置にくる可能性も大いにある。

オーディブル

これもまあ、流行るのではないだろうか。これは少々怪しいラインかもしれない。なぜなら、「聴く」という行為には、絶対王者の音楽があるからだ。ながら作業として最適の音楽は、現代で圧倒的地位を占めているし、それに取って代わることはないと思われる。一定の需要を獲得する程度。

オンライン本屋

個人的に一番熱いのはこれだ。ちょうど服をオンラインで買うのと同様、ネット版の出版社が出現すると思う(最早「出版」ではない)。作家は原稿用紙ではなく、pdfなどのデータでその出版社に送り、出版社がでーたとして売る。印刷代などが省かれる分、作家に回る印税率も高くなるだろうし、時代にマッチしているという点でも、作家としては持ってこいだと感じる。ただ、依然「校閲」や「表紙作成」といった作業は残っるので、せいぜい10%→20%、30%くらいだろうか。それに本そのものの価格は必ず下がるから、やっぱり微妙かもしれない。

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