初のスノボ 挑戦と失敗と成長 #3

いよいよ

僕たちは、やっとの思いで滑り初められるところまで来た。

僕は少し不安になっていた…

15年以上前、人生で一度だけスキーをしたことがある。

普通にまっすぐ滑っていると、どんどん加速していていってしまう。かといって、初めから上手く曲がったり止まったりできない。

つまり、滑りだ出したら何も出来ずにどんどん加速していき、唯一出来ることは、なるべく怪我をしないように、人に迷惑をかけないように転ぶ方法考えることだった。

「転び方が悪いと骨折することもよくある」とも聞いていたので、怖かったのをはっきりと覚えている。

自転車や車もスピードが出るけれど、上手く止まることが出来るから怖くないのだと、その時に学んだ。

いざ滑り始めるとなった時に、僕はそんな過去のことを思い出していた…

僕は自分の気持ちとその場を盛り上げるために、

「ついに来たね!完全にノリだけでここまで来ちゃったよね。(笑) どっちから行く?」

なんてスモールトークをしようとしたその瞬間…

「じゃ、行きますか!」と言い終わるか終わらないかぐらいで、友人は軽快に滑り出していた!

………………………

えーーーーーーーーーーーーー!!


冒険

友人はスキーもスノボも経験がないので、怖いもの知らずで滑り始めてしまったのだ。

彼の背中を見届けながら、僕は思った。

(今までありがとう。初めてのことでも失敗を恐れずに挑戦する、勇敢な良い友達だったよ。)

……………ザザー!

案の定、友人は曲がることも止まることも出来ずに、20~30メートルほど先で見事に転んでいた。

幸運なことに彼自身は大丈夫そうだった。周りに人はいなかったので、ただ一人の人間が20~30メートルほどの助走をつけて、思いっきり雪に突っ込んだだけだった。

今振り返ると、お笑い好きの彼のことだから、おいしいと思っていたに違いない。いや、むしろこれがやりたくて僕をスノボに誘ったのかもしれない…

僕も後に続いて滑り始めた。瞬時に(止まることは出来ないな)と悟った。このままだと加速していってしまうので、転んで強制的に止まった。

上手く転べた。さすが15年ほど前に何度も練習しているだけある。(笑)

僕たちは、その後も何度も転びながら前に進んだ。上手く操作ができずに横の茂みの方に逸れてしまいそうにもなった。

一人が茂みの方に行くともう一人が助けに行く。でも、助けに行ったつもりが、自分の方が茂みに近づいてしまい危なくなる…

そうした時は、ボードは使わずに雪に這いつくばったり転がって戻るか、最悪の場合ボードを外して歩いて戻る。(笑)

そんなこんなで、なんとかリフトの所まで戻ることが出来た。リフトを出発してから1時間ぐらい経っていた。

僕はちょっとした冒険から帰って来たような気分だったけれども、このコースは超初心者向けのコースで、普通の人が滑ると2、3分で終わる。

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