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「どうする家康」観ました…時代劇のファンタジー・月代のこと

今年の大河ドラマ第一回観ました。オープニング…重厚感よりもポップさが前面に出ていた。横尾忠則の絵を使った「いだてん」を思い出します。
昔から“時代劇はファンタジー”だけど、ますます、現代に合わせて、視聴者が没入しやすくしているんだなと思う。役者のビジュアルは特に。
ひとつは、男性の髪型の月代(さかやき)。
頭部中央部を反り上げる髪型にしている役者は皆無だったような。いたっけ?戦国時代は、あまりいなかったんだっけ?
どんなに眉目秀麗な役者でも、この髪型だと、観る側に、素敵な人♡というより髪型に対する違和感の方が先に立ってしまいがちかと。現代の役者さんの多くは、月代じゃないほうが、やっぱり似合うと感じる。髪型は、かっこよさに欠かせない。
これからの子供たちは、ちょんまげといえば、中央部を反らないこういうポニーテールの髪型と思いこむかも。
時代劇のファンタジーに、月代を使わないことも加わってきた、ってことなんだと思う。今までの時代劇だって、視聴者の夢を裏切らないために、わかっていながら改変していることはたくさんあった。
たとえばお歯黒。笑ったときに歯が真っ黒…って、現代人には受け付け難いもの。どんな美女でもちょっと…。お歯黒のドラマや映画ってほとんど見たことがない…記憶にかすかにあるのは、ドキュメンタリー的再現ドラマだったかも。
大河ドラマは、視聴者が生活の一部として毎週観る番組だから、抵抗なく没入できることが何より大切。そのために、歴史公証より大事にしていることがある。
今後は、かえって、月代が、 “異次元的ファンタジー”のアイコンの役割を果たしていきそう。月代から漂ってくる、強い江戸時代感というのがあるから。日本の封建社会の空気を醸し出す、重要な装置としての、月代。
大好きな映画「殿、利息でござる!」で、妻夫木聡や阿部サダヲが月代じゃなかったらなんか…違う、って感じてしまう。あ、でもこの映画でも、瑛太は月代髪型ではなかったな…どうしてだろ。キャラクター…少し常識からは逸脱してのびのびしている…に合わせたのかな。
さて、「どうする家康」。全体的に、「鎌倉殿の13人」で大河ドラマにはまった若年層を、再びぐっと惹きつけようという、演出の意図も感じられた第一回でした。今年も、楽しみです。

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