無理がきく体力
…ってすばらしい!! と知ったのはごく最近のこと。話には聞いていたけど、こういうことか、っていうのは体験して初めてわかるね。
たとえば大学生の頃は、オールナイトで遊んだ朝、眠いなあって思いつつ、そのままバイトに行くことありました。就職してからだって、いわゆる“体力の衰え”を切実に感じたことはなかった。睡眠時間少ない日々が続き、忙しさのあまり昼食取るの忘れてた、ってときでさえも、自分の体の限界アラームを感じたことはなかった。いや、もうダメ~ってねをあげたくなるときはあったけど、まあどうにかなった。たいてい一晩眠れば復活してたし、どんなに多忙ても帰りは呑みに行ったりもしてた。
それ、若いときだけの、強靭な体力かなせる技だったんだ。
一度だけ寝過ごしたことある…40歳くらいだったか。ヘビーな勤務が続いた日の朝。新宿の某企業にて朝9時のアポだったのだけど…こちらからお願いしていながら、起床は9時10分前。真っ青、焦ったね。そのとき私の家は横浜市妙蓮寺駅近く。起きてから10分足らずで家を飛び出し携帯電話で平謝り…相手の会社内で会う約束で、まだよかった~今となれば(“いい”とは言えないけど)若かりし頃の思い出のひとつ。
そう、40代だって、まだまだ、十分踏ん張りきいてたなあ。
50代後半で想定外の大変な仕事の時期があり…期間限定とわかっていたから乗り越えられたけど…“仕事の疲れがなかなか取れない”って感覚を初めて知りました。
30代前半の頃、定年間近い男性上司から言われたことは「貴女はまたわからんやろけど、年取るとほんま体がいうこときかんようなるんやで」。“まだわからんやろけど”の口調に実感こもっていたな。『若いうちは想像できないけど、意識もせす普通にやれていたことができなくなるのって悔しいで。それが年取るってことや』…そういう気持ちがびんびん伝わってきました。
年配女性が「年とったら編物とかゆっくりしようと思とったのに嘘ばっかし。嫌になってできん」「一生懸命お菓子づくりも若いときはやったけどな~今は嫌になってしもて」…と話していたことも、今ならよくわかる。
体力低下とともに集中力持続力も低下。目も悪くなるし肩も凝るし…ほんとにね。
年を取れば無理がきかない体になっていくのは、自然の摂理。今の体の状態と相談しつつ、やってくしかなく、それを嘆いてるわけではないけれど。
無理がきく若い体力は、やはり眩しい。体力が、あの、若者だけがもつ“無敵感”を強く支えていたんだな、と気付きます。