立候補届出受付の日
「無投票」とかけまして、
「可愛い子には旅をさせよ」と解きます。
その心は、箱に入れません。
#投票箱
#箱入り娘
首長選挙の立候補届の日でした。
いわゆる告示の日です。
現職のほかは誰も出馬の動きがなかったので、早くから「無投票」になるとの見方が強くありました。
しかし告示の当日、ちょっと怪しい人が現れました。
選挙に立候補するには「供託金」というものが必要なのですが、その人は、その供託の手続きや、立候補届出の締め切り時間を聞いてきました。
その人は今まで何度か選挙に実際に出たことがあります。
衆議院選挙にも出ています。
ちなみに衆議院小選挙区選挙の供託金は「300万円」です。
これがある程度の票数を取らないと「没収」されることになります。
今回の選挙は「50万円」と国政選挙に比べれば安いですが、それでも簡単に出そうとはあまり思えない金額です。
でも300万円を出せる人です。これくらいなら簡単なものなのでしょう。
そしてこの人が選挙に出る理由は、基本的に当選するつもりはありません。
どうやら単純に選挙運動がしたい、という理由と、
「無投票選挙」はよくないという思想からです。
「施策」「公約」なんて二の次です。
ところで「無投票選挙」はよくない、という話はよく聞きますが、実際のところはどうでしょうか?
確かに民主主義の根幹を揺るがすようなものにも思えます。
しかし、現実問題としてやりたいという人が他におらず、しかもその人への信頼が大きいということはあり得ることです。
もちろん100%支持されているということはないでしょう。
だからといって、単に無投票がダメという理由だけで出馬する人と選挙をする必要ってありますか?
しかもそういう人の演説は基本的に人の悪口しか言いません。
そんな人に政治のかじ取りなんて任せられるはずがありません。
本気で施策のことで議論しあえるような対立候補がいる場合なら別です。
選挙はあくまでも手段です。
選挙が目的であっては本末転倒です。
しかも1回選挙をするごとにどれだけの税金が投入されることか。
投票所や開票所の場所も人員も確保しないといけません。
当たり前ですがこれらにはすべて費用が発生します。
無投票でも用意しないといけないものはもちろんたくさんありますが、実際に多くの人が動くとなると、経費や職員の体力、精神的な負担は数倍にも上がります。
そこまでして「選挙をする」ためだけの「選挙」なんてどれだけの人が望んでいるのか。
そしていざ投票になっても投票率は低い、圧倒的大差、供託金は入ってくるものの正直言って選挙全体を賄えるはずがありません。
「無投票選挙はよくない」とは一概に言い切ることはできず、場合によっては仕方のないこと、むしろ最善の方法にもなり得るのではないかと思います。
決して自分たちの業務が楽になるから、ということではありません。
施策をぶつけ合う選挙なら何ひとつ文句はありません。
というわけで今回の選挙は例の人は結局動かず、候補者1人のため無投票となりました。
ホッと胸をなでおろしました。
そして1か月後の次の選挙へ。