両腕に針を刺す方法
「血液」とかけまして、
「蚊に刺された」と解きます。
その心は、あかいー
#赤い
#あカイー
#痒い
献血をしました。
1年に1回くらいしかしませんが、気が付けば20回目の献血でした。
特に崇高な気持ちでしているわけでも、ジュースがもらえるからという理由でもなく、献血バスが来ているから、という軽い気持ちです。
最近はもっぱら職場に来る献血バスでしていますが、献血センターでしたこともあります。
15年以上前のことだったと思います。
献血センターから職場に、A型が足りないので何人かお願いします、と依頼がありました。
そこで自分が行くことになったのですが、献血センターでは基本的に成分献血になります。
一度抜いた血液から必要な成分だけを抽出し、残りを再び体内に戻すというものです。
その時に自分がした方法は、両腕に針を刺す方法でした。
片腕から血液を抜き、もう片方の腕に戻す、という方法なのだそうです。
しかも時間が約45分間かかると。
その間、両腕を動かすことができません。
鼻が痒くなっても掻けません。
本当にそんな方法があるのかと周囲を見ると、自分と同じように体の大きな男性が数人、両腕に針を刺していました。
覚悟を決めて椅子に座ります。
「約45分間、暇だろうからDVD見ててください。何にしますか?」
棚には『名探偵コナン』や『鬼平犯科帳』が何本かずつあります。
「鬼平犯科帳で」
両腕に針が刺され、献血が始まりました。
姿勢を変えることも難しく、当然鼻が痒くなっても掻けません。
なんとなく落ち着かず、もぞもぞしながら「鬼平犯科帳」を見ます。
話はいよいよクライマックス、というところで、
「はい。終わりました。ありがとうございました。」
いいところなのに・・・
「続き見ますか?」
親切に聞いてくれます。
でもまだ後ろに並んでいる人もたくさんいます。
「いえ、結構です。」
色んな意味でモヤモヤしながら献血センターを後にしました。
その後、何回か献血センターで成分献血を経験しましたが、両腕に刺されたことは一度もありません。
している人も見かけていません。
どうやらその装置は、評判が悪くてなくなったそうです。
貴重な体験でした。
#どことなく怪談風