全世代にグッと来る1曲:『かつて天才だった俺たちへ』

8月19日にCreepy Nuts『かつて天才だった俺たちへ』のMVが公開されました。
8月26日に発売の同名アルバムに収録される1曲。

何って、この曲めちゃくちゃ良い。
HIP HOP好きはもちろん、HIP HOPにあまり触れていなくても聴きやすい、そしてグッとくる1曲なんです。

未だかつて ないほど入り組んだway
悩めるだけ悩め 時が来たらかませ
風任せ どっちみち茨のway
俺らは大器晩成 時が来たらかませ

帝京平成大学のTVCMソングになっていて、書き下ろしとあるのでこのために制作された楽曲のようです。

MCのR-指定さんは、この楽曲について、以下のように説明されていました。

曲に込めてもらいたいメッセージとして「自分の信じた道を進む」と挙げられたとき、「進路」というワードが自分の中に出てきた。
年齢を重ねていくたびに選択肢を消していくけれど、昔の進路はどうだっただろうなと考えると、生まれた頃の進路は無限だった。
その気持ちでもう一回、何歳になってもいけたらいいと思った。
人と比べて自分の可能性を消したり、人と比べて苦手なことを潰すんじゃなく、それを分かった上で更にもっと成長できるんじゃないか。
自分のことと思って書いた。
学ぶ人、学んで先に行こうとする人にも重ねられるんじゃないか。
学生もそうだし、社会に出てキャリアを積んでいる人にも届いてほしい曲。

これがまさにリリックに詰まっています。
ベースとドラムの音が心地よく、軽快な音に乗るラップにちょっとニヤけてしまう。
リリックもバッチリ耳に入ってくるので、メッセージもダイレクトに伝わってくる。
全部のせすぎてここのところ毎日リピートして聴いています。

日本のHIP HOP界のトップランナーであるCreepy Nutsの新曲なので、言われずとも聴いている方は多いと思います。
自分はHIP HOPが音楽の中でもかなり好きなのですが、とは言え好きなアーティストだけをずっと聴いていたので、満遍なく沢山のアーティストを知っているわけではなく。

R-指定さんを知ったのも『フリースタイルダンジョン』を観てからでした。
Creepy Nutsは『助演男優賞』などを聴いて、「上手いな」「いいな」とは思っていましたが、自分の中に飛び抜けてグッとくるところまでは正直いっておらず・・・・・・。

YouTubeでアップされた『かつて天才だった俺たちへ』も、たまたまアップされているのを発見して観たのですが、一発で引き込まれました。

リリックは学生や社会人だけでなく、全世代に響く、共感できるようなもので、かつ韻も各所で踏んでいる。
重く漂うような音でなく、軽快に流れるような音で、聴きやすい。
全方向型でグッと来る1曲です。

YouTubeのコメントも、リリックについて自分と重ねて思いを書いているものが結構目に入ってきます。
それだけ共感できたり、勇気づけられたり、背中を押されたと感じている人が多いのかなと。

HIP HOPの楽曲を聴いていつも思うのが、その他のジャンルの楽曲より秒数は少ないのに、その中に他ジャンルよりも多くの言葉を詰めて、さらにメッセージも込める。
だけならまだしも、ワードは韻を踏んでいて、聴いていて心地よい。

音に沿って言葉を充てていって、言いすぎず意味や情景を想像させるような歌詞ももちろん良いと思う。
けれどHIP HOPのリリックは、韻を踏むギミックも込めつつ、直接的に言いたいことを限界まで言う。
緻密に考え抜かれたような、でも力を抜いた流れもあるような。そんなリリックが大好きです。

とにかく世代を問わず、多くの人に聴いて欲しい1曲。
この先も事あるごとに聴く1曲です。

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