歴史思考、メルカリで売るのやめた話
久しぶりに紙の本を買って(さっと読んですぐにメルカリで売ろうと思ってたのに)、予想を超えた面白さでどハマりした話。
今年に入ってから世界史の本を読み直していて、それに併せて移動中にコテンラジオというポッドキャストを聴いている。このチャンネル、Podcast界ではめちゃめちゃ有名なので存在は知っていたんだけど、いかんせん1テーマで数時間あったりするヘビーさに怖気付いてスルーしていた。
でも、いざ聴いてみると、むしろ時間をしっかりかけることによってストーリーが飛躍せずに丁寧に説明されているし、しっかり咀嚼が行われて腹に落ちる。
今回このチャンネルの代表(かつ運営会社の代表)である深井龍之介が著作を出したと聴いて、紙で買ってみた。そして、長大なポッドキャストとは違ってこちらは一瞬で読み切れた。
テーマは一貫して、「自分の当たり前を疑え」。
スーパースター(キリスト、孔子)も凡人だったとか、ガンジーは意外に聖人じゃない説とか、男性同士のセックスって当たり前だったとか歴史を題材に我々の当たり前を否定する。
そのアプローチが面白くて、よくある「戦国武将から学ぶ〜」みたいな帰納的な歴史の活かし方ではなく、「そんな常識なんて昔はなかったんだから、楽に生きようぜ」と言う優しさが常に根底にある感じ。
時と場所が変われば、常識も変わるよねってこと。
また、本書の後半にあった次の件が印象的だった。
なぜプーチンは手段を選ばず侵攻に踏み切ったのか?なぜ愛する人を守った(ように見える)ウィル・スミスがアメリカでは強く批判されているのか?
こう言うことを自分の常識に照らし合わせて「けしからん」で終わらせるのではなくて、理屈を理解できるようにならないといかんよねってこと。
こう言うことって小学生の頃に教えられたかったな。「やられたらやり返すと戦争は無くならない」みたいな無意味な道徳論じゃなくて、「理解不能なあいつはどう言う理屈(あいつなりの常識)で行動してるのか」って考える癖をつけたら良いと思う。