版画と詩のコラボ作品の製作

画像1 震災の翌年頃から青森の版画家竹林嘉子さんと私は版画と詩のコラボ作品を作っています。テーマは東日本大震災のことです。毎年、2つか3つの新しい作品を作っています。最初は、ある凸版印刷所に文字の印刷は頼みましたが、今は自分で版を組んで文字を印刷しています。
画像2 作業の最初は、私の詩の文字がすだれ(活字棚)のどの場所にあるか所在の番号を付ける作業から行います。
画像3 うま(活字のすだれを並べておく専用の棚)に並べるほどの活字がないので、また場所もないので、活字を入れているすだれは、斜め横にして仕舞っています。だから、一枚一枚すだれを仕舞っている場所から取り出して活字を拾います。そのために活字の場所を示す番号を漢字に振ります。かなはいろは順に並んでいるので見ただけで拾えます。
画像4 かなを拾ったところ。18行のさほど長くない一つの詩で、文選箱の3分も1ぐらいになりました。
画像5 これは大出張と袖の文字や約物を合体したすだれ。一番重いすだれになります。
画像6 文選したかなと大出張と出張、小出張です。詩は普通の現代文の文章と違い、短歌や俳句もそうですが、大出張の活字が少ないです。そのかわり出張や小出張、あるいは外字の占める割合が高いです。右の文選箱の一番下から大出張、出張1、出張2、小出張1と続きます。
画像7 文選を終えたらすだれの棚に並べていきます。実質これが植字になります。
画像8 詩は結構繰り返し(リフレイン)が多く、また外字も多いですから、作る度に活字店から持っていない活字を買います。
画像9 これは組版です。木のインテルは先日も書きましたが、ここでもホームセンターで売っている工作用の木片を使っています。
画像10 校正です。本当はゲラ専用の印刷機があるといいのですが、ないのでゲラを刷って、校正して、直して本番の印刷を行います。その作業は、1日で終えないと、インクが乾いてしまいます。ローラーを洗浄すると、3日は使えないので、時間との勝負になってしまいます。その結果、誤植が生じやすくなります。それが、いまだに課題として残っています。
画像11 2種類4シートずつ印刷しました。版画も一枚一枚違いますし、文字も微妙に出来不出来があります。

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