腹が立ったら台所に立つ
今朝、保育園に出発する際に発した夫氏の一言がめちゃくちゃ腹立たしかった。子どもたちがなかなか出発しないことに対して大きな声を出していたのを、「お母さんが急かすからだ」とこちらのせいにされたのがカチンときた。
人のせいにするなという怒りと、昨日体調が悪そうな夫氏に代わって夜中洗い物をしたり、朝から掃除や洗濯や料理の支度までこっちはしているのに、子どもの登園さえもスムーズにできないなんてなんなんだという憤り。
後者の方が70%か。
久しぶりに怒りでわなわなしたが、子どもたちにはそんなところを見せたくないのでいつも通り見送った。
いっそのこと全部投げ出して会社に行って夜も全部夫氏に押し付けたろうかとか、夜ごはん夫氏の分作るのやめようかとか、ブラックな自分がどんどん出てきて、1人になってもイライラが止まらない。
とりあえず会社に行くにしても夜ごはんの支度はしておこうと、台所に立つ。仕込んであったカレーの素を使ってチキンとなすのカレーの仕込みを開始した。
なすを切って炒める。
その間に鶏肉を切る。
鶏肉も炒める。
カレーの素とヨーグルトを入れて炒める。
水を入れて煮込む。
工程を進めるごとに、怒りがぷしゅぷしゅと抜けていく。
なすが油を吸ってしぼんでいくように。
炒めた具がとろとろと水分を含んで溶けていくように。
お腹の中に溜まってドロドロとしたものが、徐々にかさを減らしていく。
カレーがほど良く出来上がり、仕事の開始時間を迎える頃にはだいぶ冷静さを取り戻していた。
保育園への送りから帰ってきた夫氏は、開口一番「朝はごめんなさい!」と頭を下げた。
簡単には謝らない夫氏が「ごめんなさい」と言うのはそうとうな変化だ。
それはありがたく受け入れつつも、顔を見るとやっぱり言いたいことが溢れて感情的になってしまいそうだったので、今日は会社に行って欲しいと頼んだ。距離を置くことも時には必要だ。
怒りが沸いたら、台所に立って料理をする。
料理が無理なら掃除でもなんでも。
他の何かに集中していると、黒々とした腹立たしさがいつの間にか消えていくこともある。
そしてこうやって書き出すことで、自分の怒りがちっぽけなことだと見直すのだった。
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