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令和の中学校月報④外国にルーツをもつLGBT不登校生徒の2つの困難

割引あり

1.      はじめに

日本の教育現場では、外国にルーツを持つLGBTの不登校生徒が増加しています。彼らは、性的マイノリティとしての孤独感や学校でのいじめに加え、言語や文化の壁にも直面しています。文部科学省の調査によると、LGBTQの生徒たちは全国平均の8.6倍の孤独感を感じており、特にトランスジェンダーの生徒は学校での男女分けに悩む声が多く聞かれます。また、外国にルーツを持つ生徒たちは、日本語の理解が不十分なために学習面での困難を抱え、不登校になるケースが多いことが明らかになっています。彼らは、日常会話ができるため、授業やテストの結果から、知的な問題が考えられたり、頑張りが足りないと思われたりすることがあります。本記事では、これらの生徒たちが直面する二重の困難と、その支援策について詳しく探ります。

2外国にルーツをもつLGBT不登校生徒には2つの課題があります。

2-1 LGBTQの生徒の現状:

LGBTQの生徒たちは、全国調査の平均よりも8.6倍の孤独感を感じていると報告されています。

不登校や通信制の学校を選ぶ10代が多く、彼らには居場所が必要だとされています。

トランスジェンダーの子どもたちは特に孤独を深めており、学校での男女分けに悩む声も多く聞かれます1。

日本におけるLGBT中学生の状況については、多くの課題が存在しています。LGBT中学生は、制服の性別に基づいたデザイン、学校でのいじめ、性別に合わないトイレの使用によるストレス、自殺念慮の増加傾向、カミングアウトに関する問題など、さまざまな悩みを抱えています。

日本の中学校では、LGBT中学生の割合に関する正確なデータは不明ですが、国内の調査によるとLGBTの割合は約7.6%から8%とされています2。また、LGBT中学生の68%がいじめを経験しているという報告もあります1。

学校の現状としては、LGBT教育に関する指導要項が文部科学省から通知されているものの、学習指導要領にはLGBTに関する記述がないことが挙げられます3。しかし、中学校向けのLGBT教材「Ally Teacher’s Tool Kit」など、教育現場での理解を深めるための取り組みも行われています

https://sdgs-connect.com/archives/54576

(sdgs-connect様)

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/jinken/sankosiryo/1415166_00004.htm

(文部科学省 性的マイノリティに関する施策)

LGBT中学生が直面する困難には、このように学校でのいじめや雇用差別、社会的孤立などが含まれます。学校や社会がより包括的な環境を提供するための改善策が求められています4。

2-2日本におけるLGBT中学生の支援策

教育機関による取り組み:

文部科学省は、性的マイノリティに関する課題と対応についての理解を深めるための研修動画の配信や、教職員向けの理解啓発パンフレットの作成・周知などを行っています1。

学校環境の改善:

多目的トイレの設置や制服の自由化、宿泊学習でのお風呂など、性同一性障害に悩む生徒への配慮が進められています2。

教材の提供:

「Ally Teacher’s Tool Kit」などの教材が開発され、教員がLGBT中学生に多様な性について教えるためのサポートを提供しています3。

意識の変革:

LGBT中学生への悪口や偏見に対して注意を促し、性的マイノリティに理解があることを伝えることも重要です4。

相談窓口の設置:

性自認に悩む中学生が一人で抱え込まないように、相談窓口やサポートラインの紹介が行われています4。

これらの支援策は、LGBT中学生が学校生活を安心して送れるようにするためのものです。具体的な支援が必要な場合は、学校や地域の教育委員会、関連するNPOなどに相談することができます。

2-3 外国人の子供の就学状況等調査:

教育の現状:

日本において、公立義務教育諸学校は、国際人権規約を踏まえ、外国人の子供たちを無償で受け入れ、日本人児童生徒と同一の教育を受ける機会を保障しています1。

日本語指導が必要な児童生徒は10年間で1.5倍増加しており、平成30年度には5万人を超えています。

2-3 外国人児童の現状:

日本語指導が必要な児童生徒は約5万759人に上り、そのうち約1万人が日本語指導を受けていないことが明らかになっています。

外国にルーツを持つ子供たちの言語は多様化しており、日本語の理解が不登校の一因である可能性が指摘されています。

ここでの論点は、日本語指導の在り方ではなく、日常的に日本語は使えるのに学習がわからない理由を明らかにしたいと思います。これは、支援教育教員や日本語指導教諭など一部の教師は知っていることですが、多くの教師は知らないことだと思います。

3 外国にルーツをもつLGBT不登校生徒 C子について

3-1 中学2年生まで

C子が中学2年生になるときに、私は転任をしてきて2年学年主任となりました。C子については、アフリカ系の父親と日本人の母親をもつハーフであること。LGBTが原因で小学校高学年から不登校であるということを聞きました。中学校でも、入学式翌日から不登校ということです。


2年生の始業式後の放課後に、C子の新担任の呼びかけで登校してきました。この数年前から市全体で運用が始まった女子用のブレザーとスラックスを着用していました。容姿は一目で外国にルーツがあることがわかります。言葉使いや立ち振る舞いが整っていて、日本での生活にとても適合しているように見えました。

この年の体育大会の前日、担任に代わって、私が家庭訪問をしました。本人は不在でしたが、母親と会うことができました。母親は、祖父の代からの清掃器具を販売する会社の代表をしているということでした。C子は、普段この会社の仕事を手伝っているということでした。

体育大会当日、客席の近くを通ると、声をかけられて振り返ると、私服を着たC子でした。まったくの男性のいでたちでした。

3-2 中学3年生になって

中学3年になると、C子は、毎日ではありませんが、週に1,2回昼から登校するようになりました。C子から、聞いた話では、七五三の時から男子用の羽織袴を着用し、街中では男子用のトイレを使用しているそうです。普段、男性用の服装を着用しているので、そのまま女性トイレに入ると大変なことになるとのこと。学校には「みんなのトイレ」が設置されたから登校できるようになったということです。

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